宮西が、堀が―消えた勝利の方程式…安定感欠く救援陣に求められる新戦力の台頭
■日本ハム2-4DeNA(9日、札幌ドーム)
新庄監督「逃げ切るチーム」目指すも 交流戦3季連続の負け越し
強化を進める過程で、ひずみが生じた。上沢、伊藤、加藤を軸とした先発陣はある程度、計算できても、救援陣が安定感を欠いている。今月1日にベテランの宮西が1軍選手登録を抹消され、9日には昨季の最優秀中継ぎ投手だった堀が再調整のため、2軍行きを告げられた。勝ちパターンの整備が急務となっている。
終盤に押し切られ、チームは3カード連続の負け越し。交流戦は5勝10敗で、こちらも3季連続の負け越しとなった。借金は今季ワーストに並ぶ「14」。8日に連敗を止めたばかりだが、勢いはつかなかった。新庄監督は「四回、1点取られた後、2点取り返し、そのまま逃げ切るチームにしていく」と広報を通じて伝言を残した。
指揮官の言葉の裏には、チームが抱える不安材料が見え隠れする。同点の六回から継投に移行し、鈴木、古川侑が粘りの無失点投球を見せたが、八回に救援した玉井がDeNAの中軸に3連打を浴び、勝ち越しを許した。宮西、堀が不在となり、セットアッパーが固まっていない。
左腕不足のリリーフ陣 武田コーチ「自信を持って帰ってきて」
現状の抑えは、ルーキーの北山と右肘を手術し、長期離脱を経て復帰した石川直が担う。ただ、方程式の構築はこれからだ。武田投手コーチは「状態のいいメンバーでやっていくしかない。堀に関してもいち早く状態を上げてほしいという願いを込めて抹消になった。そういう意味ではほかのピッチャーはチャンス。アピールしてほしい」と新たな戦力の台頭に期待した。
リリーフ陣が安定しなければ、上位争いはできない。今季の宮西は防御率5.00で堀は同6.10と精彩を欠いていた。当然、彼らの復活も求められる。武田投手コーチは「一番いいのは、2人が帰ってくること。しっかり下で結果を出して自信を持って帰ってきてほしい。(今後は)ある程度の固定はすると思いますけど、臨機応変な対応になってくる」と見通しを明かした。
ビッグボスは名前や実績にとらわれない。若手を積極起用している打線と同様、世代交代も見据えながら、勝つために必要なピースを埋めていく。