ファイターズ
2022/06/05 23:20

吉田輝星が高校時代の〝ホーム〟凱旋も3回KO「阪神の応援がすごくて…」聖地で3タテ4連敗

公式戦プロ初の甲子園で先発登板した吉田(左)は三回、阪神・大山に手痛い3ランを浴びる(撮影・村本典之)

■日本ハム3-8阪神(5日、甲子園)

 聖地で3タテ食らい4連敗―。日本ハムは5日、敵地の甲子園で新庄剛志監督(50)の古巣・阪神と対戦し、3―8。今季4度目の同一カード3連敗を喫した。プロ入り後、甲子園初先発となった吉田輝星投手(21)が3回4失点でKO降板。打線は、六回に野村佑希内野手(21)の2点二塁打などで3点を奪って1点差に詰め寄ったが、八回に5番手で登板した堀瑞輝投手(24)が3四死球を与えるなどし3失点。その後も1点を失い、突き放された。

ビッグボス古巣に苦杯「同点に追いつきたかった」

 夏本番はまだ先だが、異様な熱気が充満していた。連日超満員の甲子園は、3日間で計12万7754人が訪れた。注目カードのラスト。ビッグボスも燃えていた。「同点に追いつきたかった。とにかく。そうしたらまた延長で盛り上がって」。現役時代に育ててもらったタイガースの本拠地で、新生ファイターズの強さを示したかった。

 2018年夏の甲子園で金足農高(秋田)を準優勝に導いた吉田に第3戦の先発マウンドを託した。アドレナリンがあふれ出すようなシチュエーションをあえて演出し、勢いに乗せたかった。

 高校時代に脚光を浴びた「侍ポーズ」は封印した。懐かしのマウンドに上がった4年目右腕は静かに、投球を開始した。「(高校では)僕らがホームみたいな雰囲気はありましたけど、ビジターチームとして来てみると、阪神の応援がすごくて」と驚きがあった。二回までは安打を許しながらもしぶとく無失点で切り抜けたが、三回につかまった。

大山に内角直球狙い撃ち3ラン被弾「いい打ち方をされた」

 2死一、二塁から4番の佐藤輝に先制適時打を許すと、5番の大山には内角直球を左翼席に運ばれた。手痛い3ランを被弾。1、2戦で打たれまくったトラの長距離砲にこの日もしてやられた。

 一回はフォークで三振に仕留めた。変化球を生かすため、真っすぐを見せる必要があったが、厳しいコースを突く配球は裏目。「たぶん、完璧に狙っていて、いい打ち方をされた」と自戒し「詰まらせてファウルを取れる真っすぐを身につけるとか、(精度の高い)スライダーを投げられたら。これからしっかり考えながら練習します」と再出発を誓った。

 新庄監督も「うまく打ちましたけどね、大山君。相手のレベルが上だったということ」と受け止めた。

 中盤は粘りを発揮し、一時は1点差まで迫ったが、八回に中継ぎ陣が崩れ、押し切られた。悔しさを募らせたまま、セ・パ両リーグの最下位同士とは思えない熱すぎる戦いは終了。日本ハムは今季5度目の4連敗となった。「選手がどう切り替えてくれるか」と指揮官。交流戦は残り6試合。本拠地へ戻り、巻き返しのきっかけをつかみたい。

あわせて読みたい