ファイターズ
2022/05/29 23:30

《鶴岡慎也のツルのひと声》ピンチで勝負強さ証明した根本 もっとレベルの高いところ目指して

一回を終え、宇佐見(右)とグラブタッチを交わす根本

■日本ハム7-2巨人(29日、札幌ドーム)

 根本には伸びしろしか感じなかった。時折決まる左打者への外角ストレートや、右打者へのクロスファイアはキレ味抜群だった。初勝利を挙げたという事実が自信につながるだろうし、もっとレベルの高いところを目指していってもらいたい。

 課題はある。立ち上がりが不安定で、二回からストレートが抜けて制球できていなかった。そこは経験のある宇佐見捕手がスライダー中心の組み立てに切り替え、ばらついていた根本の投球をうまくリードしてくれた。

 五回は勝ち投手の権利が懸かる難しいマウンド。1死満塁のピンチを迎えたが、ウォーカーに投げた変化球2球が低めに決まった。結果的に犠飛にはなったものの、勝負どころで制球を間違わなかったことが勝負強さを証明した。その次の吉川にも9球粘られたが、粘りで負けなかったことも評価できる。今後はフォームの再現性を高め、制球力を上げて次の先発機会につなげてほしい。七、八回まで投げ、一つレベルの上がった白星に期待したい。

 今季初打点の杉谷は急な出場にもしっかりと自分の仕事をした。二回1死二、三塁の場面では、ヒットを狙わず的確に内野ゴロで得点につなげた。経験あるベテランがこのようなプレーを見せると自然とチーム力は上がる。(本紙評論家)

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