冬季スポーツ
2021/09/14 12:00

ロコ・ソラ-レ涙の大逆転代表 2連敗から3連勝

勝利が決まり、泣き崩れた吉田知(右から2人目)に駆け寄るロコ・ソラーレの選手たち。崖っぷちからの大逆転で世界選手権出場権を勝ち取った(東京写真記者協会提供)

 ■北京五輪カーリング女子日本代表決定戦最終日(12日、稚内市みどりスポーツパーク

 2勝2敗で迎えた第5戦は、平昌五輪銅メダルのロコ・ソラーレが8―6で北海道銀行に勝利。3勝目を挙げ、北京五輪の出場枠を懸けた世界最終予選(12月・オランダ)への切符を手にした。北海道銀行は2連勝からまさかの3連敗。2大会ぶりの五輪出場を逃した。

 ミラクルだ。負けたら終わり、追い込まれたロコ・ソラーレが怒濤(どとう)の3連勝。涙を流しながら、氷上で喜びを爆発させた。
 第5戦。勝負の行方は7―6で迎えた最終第10エンドまでもつれた。最後の1投を残し、NO・1、2の石は北海道銀行。ドローショットを外せば、逆転負けの可能性もあったが「こういうふうになると予想していた。スイープとラインコールを信じて投げるだけだった」とスキップの藤沢五月(30)。落ち着いてハウス中央に石を止め、勝利を確定させた。
 優勝すれば代表内定だった2月の日本選手権は、北海道銀行に敗れ準優勝。代表レースでは圧倒的有利な立場にありながらも足踏みし、今大会も2連敗スタート。しかし、窮地に立たされたこそ「私たちのカーリングを取り戻すことができた」とサードの吉田知那美(30)は振り返った。
 王手をかけられた第2戦後、選手、スタッフで集まり、ミーティング。お互いの気持ちをぶつけ合った。吉田は「この1、2年はカッコつけていた。カッコつかないんだから、つけるのやめよう、ロコ・ソラーレらしくやろう。そんな気持ちで戦った」。第3戦以降は、持ち味の感情を前面に出したプレーで試合を支配。大逆転劇につなげた。
 代表権を得たが、北京行きの切符はまだ手にしていない。9カ国で残り3枠を争う世界最終予選が待ち受ける。リードの吉田夕梨花(28)は「全チームが死にもの狂いで(枠を)獲りに来る。1日も時間を無駄にすることなく、世界一の準備をしたい」。最終関門を突破し、2大会連続の五輪出場を決めてみせる。(島山知房)

 ■道銀は無念 あと1勝届かず

 ○…日本代表の座を逃した。北海道銀行は2連勝で先に王手をかけていたが、まさかの3連敗。相手を最後の最後まで追い詰めたが、及ばなかった。五輪を目指し、3度目の挑戦となったスキップの吉村紗也香(29)だったが、惜しくも夢舞台には届かなかった。涙を拭いながら「苦しいときもみんなで踏ん張って、ここまで上り詰めることができた。チームメートには感謝したい」と言葉を絞り出した。

 

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