生田目翼と福田俊が〝最後かもしれない〟キャッチボール「同期の絆です」 トライアウトに挑む左腕に先輩が送ったアドバイスは
キャッチボールを終えた生田目(左)と福田=撮影・近藤裕介
勇翔寮の浴場で顔を合わせて
日本ハムの生田目翼投手(30)が11日、左手にキャッチャーミットをはめて、鎌ヶ谷のグラウンドに姿を見せた。今季限りで戦力外となり、翌12日にトライアウト(マツダスタジアム)を控える福田俊投手(28)の、キャッチボール相手を務めるためだった。
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朝、寮の風呂で顔を合わせ、生田目から声をかけた。「俺はダイエットしに来たんだけど、(福田が)いたから、誰も相手がいないなら、キャッチボールしようって言いました。一緒にキャッチボールができるのは、最後になっちゃうかもしれないしね」。誘いを受けた福田は「同期の絆ですね」と感謝した。
キャッチャーミットで福田の球を受ける生田目
今年1月には合同で自主トレ
2人はともに2018年ドラフトで入団した同期。1位の吉田輝星(現オリックス)、2位の野村佑希ら高卒選手が多く、社会人出身の生田目、大卒の福田は年長組として、当時からよく行動を共にしてきた。今年1月には、生田目がヤクルト・青柳らとの合同自主トレに福田を誘い、さらに親交を深めた。
2018年11月、新入団発表で集合写真に写る(前列左から)生田目、吉田輝、野村、万波、(後列左から)柿木、田宮、福田、海老原
野球が終わっても…
チームメートの域を超え、互いに一生の友だと思い合っている。先輩右腕が「同期で一番、一緒にいた。あいつは友達が多いから、どう思っているか分からないけど、僕の中では、福田とは野球が終わっても、ずっと付き合っていきたいと思っています」と言えば、後輩左腕も「僕は一生、よろしくお願いしますと思っています。(生田目も同じ気持ちだと聞き)それは、ありがたいです」と呼応した。
野球人生を懸けた勝負に臨む福田へ、生田目は「偉そうなことは言えない」と前置きしつつ、自身の経験を踏まえた助言を送った。
自分も変われた新庄監督からの金言 福田「まさに。まさにです」
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「一番、フォアボールがもったいない。それは、フォアボールをめっちゃ出していた僕が一番、分かっているので。一番、無駄だから。フォアボールじゃなくて、困ったら、ど真ん中に投げておけと言いました。(キャッチボールで球を受けて)真っすぐ、強かったし。自分はボス(新庄監督)がフォアボールを出すなと言っていて、それで変われたと思っている。フォアボールでどこも獲ってくれないぐらいだったら、打たれた方が諦めもつくと思うし。困ったら、ど真ん中。ストライク先行にして、そこから遊べばいい。自分にも言い聞かせているんですけどね」
先輩から本気のメッセージで背中を押された福田は「まさに。まさにです」とうなずき、「自分との勝負にならないように、バッターとちゃんと勝負できるように、一球、一球、大事に投げていきたいと思っています。悔いだけ残らないように、ストライク先行で、今までやってきたことを出せれば良いかなと思っています」と力を込めた。
生田目とキャッチボールする福田
「福ちゃん、まだやれるっしょ」
生田目は、福田がまだプロでやれると信じている。「本当に偉そうなことは言えないんだけど、福ちゃん、まだやれるっしょ。マジで頑張ってほしい」。思いを受け取った福田は「そうやって、応援してくれる人がいるというのはありがたい。(トライアウトは)自分のためでもありますけど、今まで野球をやるにあたって、関わってくれた人たちに見せる集大成、恩返しにもなるかなと思っています」。絆深い同期でのキャッチボールを力に、悔いのないボールを投げ込みに行く。
2019年1月、新人合同自主トレ中、ブルペンで投球する生田目(左)と福田
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