矢沢宏太 来季も野手専念 レギュラー奪取へパワー強化「体が大きくなった時に世界が…」
外野の特守を終え、森本コーチ(左から2人目)からアドバイスを受ける矢沢(同3人目)=撮影・小田岳史
■秋季キャンプ(11月2日、エスコンフィールド北海道)
飛躍を遂げたプロ3年目シーズン
日本ハムの矢沢宏太投手兼外野手(25)が来季も野手一本でペナントレースに挑む。プロ3年目の今季はキャリアハイとなる86試合に出場。今オフに心身両面を鍛え上げて、来季はレギュラー奪取を期す。
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秋季キャンプ3日目となったこの日は、全体練習終了後に万波、水谷とともに外野の特守を敢行。フェンス際の打球をジャンピングキャッチして球場を沸かすなど、今季の成長ぶりをエスコンに詰めかけた1万2500人のファンへ披露した。
「去年の秋季キャンプから、しっかり外野手としてやり始めて、この1年で手応えを感じる部分もありました。だからこそ、どんどん上のレベルに、もう少しこういうことができたらいいな、というのも増えてきています。求められるレベルがだんだん高くなってきているのも感じますし、その期待に応えられるようにやっていきたいなと思います」。着実にレベルアップできていることを実感している。
外野の特守でジャンピングキャッチする矢沢
負傷離脱も乗り越えて
投打二刀流を封印し、野手一本で挑んだ今季は、ルーキーイヤー以来2年ぶりとなる開幕1軍入りを果たした。さらに開幕戦のスタメンにも名を連ねた。以降も着実に出場試合数を積み重ねていったが、4月16日のロッテ戦で、左翼への大飛球を追いかけてキャッチした後、フェンスに激突。左太ももを負傷して約1カ月の戦線離脱を強いられた。
それでも5月下旬に復帰を果たすと、そのまま1軍でシーズン終了まで戦い抜いた。「けがで1カ月離脱してしまいましたけど、その1カ月以外は1軍にいることができましたし、リハビリも最短で終わらすことができて。リハビリ期間中もファームで打ってきたから、1軍に上がれたと思います」
打撃練習する矢沢
林ヘッドも期待がゆえのアドバイス
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その一方で、課題として挙げるのが、レギュラー定着にまで至らなかったことだ。リーグ戦出場86試合中、先発出場は35試合にとどまった。「やっぱりスタメンで出たいので。途中から守備固めで行ったり、代走で行ったりというのが多かった。そこも外野手としての手応えといえば手応えではあるんですけど、目指しているところはそこではないので」
来季の起用法について、自身は「今のキャンプも野手でしかやっていないですし、ピッチャーの練習を一切していないので、そこは野手で、スタメンとして固定されるメンバーで出られるようにやっていきたいです」と覚悟を固めている。「(林)ヘッドからも、すごく良いものを持っているから、あとは細かいところ。ポテンシャルだけで勝負するところと、あとは野球勘であったり、そういう部分でまた違うパフォーマンスを出すというところがレギュラーとしては必要だから、そこも考えてやっていこう、と言ってもらったので、そういう取り組みをしていきたいとも思います」

来季は〝ニュー矢沢〟で勝負だ!
新庄監督は、来季は先発メンバーをある程度、固定していく意向を示唆している。スタメン争いがさらに激化することは必至だ。狭き門を通過するために目指しているのが、ウエートトレーニングによるパワー強化だ。
「横尾さん(打撃コーチ)にも、その体で(今でも)こういう打球が打てているのだから、少しでも体が大きくなった時に、世界がものすごく変わってくるんじゃないか、と言ってもらって。(オフ期間は)とにかくトレーニングで体を強くするというところがメインです」。この1年でつかんだ自信に、より強くなった肉体をプラスして、来季こそレギュラーポジションを手にする。
特守を終え、引き揚げる(左から)森本コーチ、水谷、万波、矢沢