浅間大基 来年30歳も全盛期はこれから「マジで地獄のような20代でした」
秋季キャンプで打撃練習する浅間=撮影・小田岳史
■秋季キャンプ(11月2日、エスコンフィールド北海道)
センターから左へ快音連発
日本ハムの浅間大基外野手(29)がフリー打撃で左翼席やバックスクリーンへ豪快に放り込み、進化の兆しを見せた。来年、30歳になるが、まだまだ発展途上。あらためて、台頭する若手に宣戦布告した。
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ファンの驚きの声と拍手が響き渡った。浅間の打球がぐんぐん伸びる。スラッガーのような当たりを連発し「スイングの軌道から見直しているんですよ。あと打球方向ですね。引っ張りにいかない。センターに打ち上げるという感じで振っています」と涼しい顔で言ってのけた。
横尾コーチと二人三脚
横尾打撃コーチと連携しながら新打法に取り組んでいる。
「打球のクオリティーが上がれば、必然的にヒットが増えて、ヒットがより長打になりやすい。そういう当たりを増やすことをテーマにして今、やっています」。重視するのは、打球速度で「ハードヒットと言われるのが153キロより上なので、その確率を上げることを意識しています」と説明した。

打球の質に確かな手応え
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打球速度も含め、細かい数値を分析すると、今季は昨季よりも良化しているという。相手の好守に阻まれるケースが多く、打率などは下振れしたが、打球の質は向上。早くも逆襲に燃えていて「打たないと話にならない。僕みたいな立場は打たないといけない。来年を想定して明確に今、やれている」と実感を込めた。
すべてを受け入れて前へ
高卒1年目から1軍で多く起用され、有望株として期待されてきた。ただ、順風満帆にはいかない。規定打席到達は2021年だけ。プロ野球人生を左右するような大事な局面でたびたび、けがに襲われた。手術や治療、リハビリなど長期離脱で足踏みし、気付けば、11年目のシーズンが終わった。来季は12年目で30歳。「早かったです。マジで地獄のような20代でした」と本音を漏らした。
ただ、不運を嘆くことはあっても、過去は否定しない。「けがを含めて自分の実力だと思う。そこから学ぶこともたくさんありました。全てひっくるめて今の自分だと思う。それを良かったかなと思えるようにするのも、ここから先の野球人生。やるしかない」と腹をくくっている。

激しいポジション争いは重々承知
新庄監督の意向に沿って鍛えられたファイターズ外野陣の実力は、12球団トップクラス。万波、水谷、松本剛、五十幡、矢沢、今川らがいて、内野手の野村や郡司が回ることもある。浅間は彼らの才能を素直に認め「本当に自分が見ていて、いい選手だなと思いますし。かといって、負けているのかといえば、そんなことはない。そこは結果で示すしかないなと思います」と熱く訴えた。
負傷しても諦めず、何度もはい上がってきた。絶対に譲れないものがある。
