畔柳亨丞 待望の〝エスコンデビュー〟で1回0封 ドラフト同期が語る「ピュア」エピソード
待望の〝エスコンデビュー〟を1回0封で飾った畔柳=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ23回戦 西武5-12日本ハム(9月15日、エスコンフィールド北海道)
今季1軍初登板で堂々のピッチング
日本ハムの畔柳亨丞投手(22)が今季初登板。1点ビハインドの五回からマウンドに上がり、走者を出したものの無失点で切り抜けた。
高卒4年目の右腕にとって、登板通算7試合目で初めてとなるエスコンのマウンド。「緊張したんですけど、初めてエスコンで投げたので、いい緊張感で投げられたというか、良かったです。ファームで投げたことはあるんですけど、歓声とかが違うので、すごく自分の味方がたくさんいるような気がしました」と初々しく振り返った。
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ピンチで新人王候補の渡部聖を三飛
1点差の場面で起用され、2死から一、二塁とピンチを背負ったが、最後は渡部聖を151キロ直球で三飛に仕留めた。
「自分の中でいいボールが行っていたと思うので、そのへんは内容的には自分が納得する球を投げられたと思います」と手応えも口にした。
五回、3番手で登板した畔柳(左)が田宮と言葉を交わす
劇的勝利で消えた今季初登板
プロ4年目の今季は肘の故障などもあり、優勝争い真っただ中の今月13日に1軍初昇格。延長にもつれこんだその日の試合、同点で迎えた十二回のマウンドを託される予定だった。十一回に清宮幸のサヨナラ打が飛び出し、出番はなかったが「さすがにあの場面で来るのは、ちょっと自分の中で、うわ~って思ったんですけど、来たら来たで行くしかない。中継ぎの先輩はすごい先輩方が多いので、勉強しながらレベルアップできたらいいと思います」と内心ドキドキだったという。
注目の〝マッチアップ〟 ピュア×天然!?
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ドラフト同期で同学年の福島が「畔柳は真面目なので。ピュアで純粋」と評するキャラクター。真っすぐな性格を物語るエピソードがある。前日14日の試合後、福島の運転する車で、リリーバーの先輩・斎藤と札幌市内の合宿所に帰る時のことだ。
助手席に座った畔柳と、後部座席にいる斎藤。どんな会話が繰り広げられるか福島が注目していると、後輩右腕が質問を投げかけ、熱い野球談義が始まった。
ドラフト同期で同学年の福島(右)と畔柳
「(畔柳が)初回とかにブルペンにいて、バック(アップ)ついた時にどう準備しますかって(質問して)。友貴哉さんも携帯をいじりながら聞いているので、5秒くらい変な間があるわけですよ(笑)。それで(話が)かみ合うかな~、大丈夫かな~と思っていたら、友貴哉さんもちゃんと5分くらい答えていました」。今季チーム最多の43試合に投げている右腕の言葉に、畔柳は深くうなずいていたという。
ずっと憧れ続けていたマウンドで今
探究心が強く、先輩だけでなく、同学年の福島にアドバイスを求めることもあるそう。マウンド上でも、少年のような心を持つ。
「とにかく楽しもうと。自分が小さい時にずっと憧れてきた景色なので、その時を思い出して。自分がここに立てていることは幸せだと思う。楽しみながら投げられたらと思います」。その純粋無垢(むく)な姿が、背番号46の何よりの武器なのかもしれない。
五回を無失点に抑え、郡司(左)とタッチを交わす畔柳