山口アタル 「ガチ瞑想」で日進月歩 〝今さん〟の活躍に「感動しました」
6月、2軍の鎌ケ谷で今川(右)と談笑しながら室内練習場に向かう山口=撮影・近藤裕介
育成3年目 今季中の支配下昇格は消えたが
日本ハムの山口アタル外野手(26)は、今季中の支配下昇格の可能性が断たれた今も、変わらずバットを振り続けている。今年が育成3年目で、オフに来季の支配下契約を結べなければ一度、自由契約となるルール。それでも、未来より目の前の打席を大切に、猛練習の日々を過ごしている。
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「もちろん、育成3年目で支配下になれなかったのは事実ですけど、来シーズンとかそういうことは考えずに、一日一日、ちょっとでも野球が上手くなるために、諦めずに頑張っているだけです」
「どれだけメンタルを一定にできるか」
「野球はメンタル」と精神面を大切にする山口は、「心が乱れたら、どれだけ良い振りをしていてもダメです。どんなときでも同じメンタルで冷静に。支配下昇格ができる期間が終わっても関係なく、自分ができることしか意識していないです。その中でも、どれだけメンタルを一定にできるかが大事だと思います」と力を込める。

ただ、昇格の期限だった7月31日までに吉報は届かず、心を乱すこともあった。「やっぱり波があって、どれだけメンタルを一定にしようとしても、打てなかったり、打席数が少なかったり、結局、支配下になれなかったりすると、落ち込むこともありました」
椅子に座って→ベッドの上→さて次の段階は?
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メンタルを安定させるため、以前から取り入れている瞑想の頻度を増やした。「結構、本を読んでいて、メンタルの本を何冊か買って。一番の敵は自分だから、どうやって自分の考えとか、感情を支配して、乱れないようにするか。そういう本をいっぱい読んでいます。そこで瞑想が勧められていて、どんどん読めば読むほど、〝ガチ瞑想〟になっていって。知らない間に、どんどん瞑想のレベルが上がりました。最初は椅子に座ってやっていたんですけど、だんだんベッドの上であぐらを組んでやるようになって、次は地面の上になって(笑)」。
心が強い、手本となる先輩の存在も、大きなモチベーションになっている。9日の昇格後から、1軍で大暴れを続ける今川とは、鎌ケ谷で試合前に一緒に打撃練習を行うことが多く、刺激を受けてきた。

「近くに、そういう人がいるのは恵まれている」
「本当にいい人なので。自分が打てなくても、いつも『頑張ろうぜ』って言ってくれる。今さん(今川)の毎日の練習の姿勢を見て、それがファームの試合につながっているのを見て、それが1軍の試合につながっているのを見てきた。モイネロからホームランを打った時は、本当に感動しました。近くに、そういう人がいるのは、本当に恵まれていると思います」
今さんより練習できるようにならないと
山口が間近で見てきた今川のすごさは、「体力」と「練習量」。「やっぱり今さんの練習の量は、誰にも負けていないと思います。ウエートも、バッティングも。あれだけトレーニングをして、試合に出て、結果を出して、またトレーニングをする。それを、けがをせずにできる体力は、本当にすごいと思う。それがしっかり、1軍でも結果につながった。僕のモチベーションになっています。やっぱり、今さんよりはまだ練習できていないので、今さんより練習できないとダメなので、ちょっとずつ増やしていっています」

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腐らずに練習を続けた先に、輝かしい舞台が待っていることを、今川が証明してくれた。いつか先輩と並んでエスコンフィールドの舞台に立つため、カナダ出身の26歳は鋼の心で突き進む。