佐藤陽成がホーム戦デビューへ闘志 大学&家族の期待背負い「来週はメンバーに…」
チームへの合流期間が残り1週間となったFW佐藤(左)。猛烈なラストアピールでホーム・いわき戦のメンバー入りを狙う=撮影・宮西雄太郎
■9月6日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌のFW佐藤陽成(22)が6日、札幌市内で行われた全体トレーニングに参加した。30分×3本で開催された紅白戦では2、3本目に出場。第29節・いわき戦(13日、プレド)のメンバー入りへ全力プレーで意気込みを示した。
紅白戦の2、3本目に出場し「微妙でした」
プロの環境に身を置くことで、その才能は磨かれていく。紅白戦の2本目に左シャドーで出場した佐藤は、絶好のアピール機を不完全燃焼のまま終えた。「きょうは微妙でした。守備が周りと合わなくて、いろいろずれてしまいました」。前線の味方との呼吸が合わず、プレスの威力は半減。チームメートとの連係に課題を残した。

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来季の内定を勝ち取った佐藤は、7月上旬からチームに合流。8月23日の敵地・甲府戦でリーグ戦デビューを飾るなど充実の2カ月間を過ごした。所属する大阪体育大学が、9月20日に開幕する関西学生リーグの後期日程に臨むため、いわき戦を最後に再び大阪へ戻る予定。在学中のホーム戦デビューを狙う背番号40は、大学側の期待を背負いラスト1週間の猛アピールを心に誓う。
「こっち(札幌)で1回ベンチメンバーに入ったので、大学側も『頑張れ』ということで長い期間を過ごさせてもらいました。もしかしたら7日までに帰るかも?という可能性もあったけど、予定通り14日までいます。だからこそ来週はメンバーに入りたい」
稚内の家族はプレドに来たことがある? ない?
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勇姿を届けたい人たちがいる。稚内に住む家族は、「1回も来たことがない。俺が出るときのために」と佐藤がピッチに立つ日まで、これまでプレドでの観戦を控えてきた。「大学に入ってからも試合を見に来たことがないので、直接見てもらうことになれば高校生以来。来週は稚内から6時間かけて来るかもしれないので、頑張りたいです」と、強い決意を言葉に乗せる。

高評価する指揮官が課した宿題は
中学時代から佐藤をよく知る柴田監督は「前に運んでゴールへ向かっていく。シンプルにボールを運び、その思いがチームに勢いを与える。推進力が彼の1番の持ち味」とポテンシャルを高く評価する。
赤黒の近未来を支えられる可能性を秘めるからこそ、パフォーマンスへの要求は自然と高くなる。指揮官は「プロの舞台でやるには頭もテクニックもフィジカルも、全てにおいてレベルアップが必要。当たり前だけど関西リーグでは別格の存在感で毎試合結果を出して、チームを勝たせてほしい。そうやって初めてプロの土俵に立てるので、ぜひ成し遂げてほしいですね」とプロ入り前の宿題を課した。
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ピッチを離れた表情には、まだ少年のようなあどけなさが残る。22歳の誕生日を迎えた3日には浦上の計らいで木戸、原とともに寿司を堪能したという。「いや~、美味しかったです。稚内にいるときはいつも食べていたけど、久しぶりに誕生日に寿司を食べました。恩返しは、一緒に試合に出て自分が活躍するしかないですね!」。無邪気に笑うストライカーが、フレッシュな風をピッチに運ぶ。
