チーム本隊の移動が大幅に遅れた。台風の影響により、東京駅発の新幹線が遅延。静岡駅で２時間３５分の運転見合わせもあり、約４時間２０分遅れて新大阪駅に到着した。

　午後４時ごろ、前カードのロッテ戦に帯同せず、札幌から空路で移動してきた先発投手だけが京セラドームで体を動かしていた。その一人、福島は練習直前、様子が気になり、同期に連絡を入れていた。「（同じ姿勢でいるのは）すごく嫌じゃないですか。体はバッキバキですよ。柳川に『今、どのへん？』とLINEしたんですよ。『静岡でずっと止まっている。腰がエグい』と返ってきました」。

　続けて、同じような状況になったらどう対処するか―と聞いたら、乗客の迷惑にならないことを前提として「何回かトイレに行くしかないんじゃないですか。座りっぱなしが一番きついので」と答えをひねり出してくれた。１時間に１度でも立ち上がり、体が固まらないように歩く。限られた空間でできる精いっぱいの工夫なのかもしれない。

　同僚が１人、同じ新幹線に乗っていた。指定席券を購入できず、自由席は満席。およそ７時間、デッキで過ごした。その記者をよく知る福島に事情を伝えると「うわ、エグい。かわいそう。それはヤバいですね」と本気で心配していた。無事に試合できたことは何よりだが、当事者たちにとってはとても過酷な一日になった。