ファイターズ
2022/01/04 15:27

WBC王座奪還へ 栗山JAPANいざ始動

侍ジャパンを率いる栗山監督。昨季まで指揮した日本ハムの清宮や野村らにも触れながら、若手の台頭を熱望した(撮影・松本奈央)

 死に物狂いでつかみにこい! 侍ジャパンの栗山英樹監督(60)が本紙の新春インタビューに応じた。来年3月にはWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が開催される。世界一奪還への思いは強い。そして日本ハムの清宮幸太郎内野手(22)や野村佑希内野手(21)といったヤングF戦士に対しても期待を込めた。侍ジャパン入りへの猛アピールを待ち望んでいる。(聞き手・十島功)
 

清宮、野村出て来い 若いF戦士に厳しく〝狭き関門〟強調

 日の丸を背負うスター軍団を率いる指揮官として2022年を迎えた。23年3月に開催予定のWBCでの世界一奪還が最大の目標となる。栗山監督は、今年の一字に「備」を挙げ、色紙にしたためた。
 「来年の3月に向かって、どれだけの備えができるのか。この1年間は『生涯あのシーズンぐらい準備した1年間はなかったな』っていう風になるように、全力を尽くしてやっていきたい」
 WBCの頂点は09年の第2回大会以来10年以上遠ざかっている。王者に返り咲くためにも、若い選手の伸びしろや勢いが重要だと考えている。
 「勝ちきるイメージを持つとすると、絶対条件はそこかな。安定した選手はいるんだけど、そういう若手の伸びしろみたいなものを、優勝するための条件の一つだと思っている」
 試合を重ねながら成長し、頂点まで駆け上がっていく。そのイメージは、昨季まで監督を務めていた日本ハムが優勝した時と同じだという。
 「(選手が)ゾーンに入って、勢いと結果を与え続ける。他の選手もそれに応えながら、チームがすごくでっかくなるイメージ。ファイターズが優勝する時はそういう選手が出て、最後にプラスアルファが生まれて、勝ちきるパターン。その感じなんだろうな」
 当然、清宮や野村、万波といったヤングファイターズも、その中に入っている。アピールする期間は今季しかないが、栗山監督はその狭い関門を突破してくるぐらいのものを見せてほしいと願っている。
 「逆に(見方が)厳しくなるかもしれない。でも、そこで一気に伸びしろを見せたら、もしかしたらジャパンに入れる可能性がある。こんなチャンスはない|という風に思って、食らいついてほしい」
 WBCだけに照準を置き、まっさらにして、選手を選考していく。一番重要視するのは日の丸に対する強い思いだ。
 「まずは能力よりも、『絶対に日の丸を背負って世界をやっつけるんだ』っていう気持ちがベース。『日本野球はこんなもんだって見せてやる』という誇り。それだけは選手に求めたいし、そういう選手だけが集まって戦う大会だと思う」
 始動した栗山ジャパン。3月には台湾との強化試合も組まれている。どういった面々が名を連ねるのか、そして日本ハムから何人が選ばれるのか、注目だ。

新役職プロフェッサーと「俺も二刀流」

 栗山監督も“二刀流”で世界一へ向かっていく。昨年12月には日本ハムのプロフェッサーという新たな役職に就任することも発表された。
 「やめましょうって何度も言ったけど」と苦笑いを見せながら、「確かにチームとして本腰入れる感じだよな。人間教育をちゃんとしなきゃいけないんだっていう。だから、俺ができることはしっかりやろうとは思う」と最大限のサポートを誓った。
 9日から始まる新人合同自主トレ内で行われる講義が初仕事となりそうだ。「俺も二刀流なんだ」と柔和な表情を浮かべた侍指揮官。日本ハムの巻き返しへの尽力も惜しまない。

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