水谷瞬 7年目で初の2桁本塁打 両親と愛犬の前で節目の一発「少し親孝行した気持ちに」
四回無死、水谷が10号ソロを放ち、「パイナポー!」ポーズをみせる=撮影・松本奈央
■パ・リーグ13回戦 ロッテ0―5日本ハム(7月26日、エスコンフィールド北海道)
実は〝リベンジ〟を懸けた打席だった。五回、先頭で打席に入った水谷瞬外野手(24)は、カウント2-2から、ロッテの先発・ボスの148キロ直球を左翼席に放り込んだ。プロ7年目にして、初の2桁本塁打となる今季10号ソロを記録した。
前半戦で10本に届かず「ちょっと悔しかった」
密かに前半戦での10本塁打を狙っていた水谷。前半戦最後のカードとなった19日楽天戦の第1打席、手応え十分の当たりを放ったが、風で戻され中飛に終わった。「前半戦で10本打てなかったのはちょっと悔しかった」。そして、この日の第1打席でもフェンス手前での左飛だっただけに「2桁っていうのもありますけど、それ以上に、やり返すじゃないですけど、そういう気持ちの乗ったホームランだった」。
四回無死、水谷が10号ソロを放つ=撮影・井上浩明
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
また、この日は両親と愛犬・マルとチロの2匹が球場で観戦しており、より一層気合が入っていた。「(本塁打を)見せられて良かったのかなと。少し親孝行した気持ちになりました」。闘志の込められたバットで、最高の活躍を見せることができた。ただ、水谷は笑いながら「高校野球から含めて、大体ホームラン打つタイミングで父はトイレとか何か買いに行っているタイミングの悪い男なんで。きょうももしかしたらいなかったから打てたのかもしれない」。さらに実家の愛犬は2匹増える予定で、今回北海道に来た理由の一つでもあるようだ。軽度の犬アレルギーを持っている水谷だが「実家に帰る楽しみが増えますよね」。
昨季は夏場に苦しんだが元々は得意
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
夏場に入っても、好調さを維持している。昨季は少し苦しんだ季節だったが、元々は夏が得意なタイプ。「例年は3月中ぐらいから5月の終盤あたりまで状態が悪くて、そこから徐々に上げてきて、夏場爆発する。去年は僕の中で異例のシーズンだった」。その昨季のブレークからレギュラー奪取に挑んだ今季だったが、春先に調子が上がらず「本当に大丈夫か?」。不安な気持ちをぬぐえずにいた。それでもファームでの試合や練習に励みながら、状態を取り戻し、交流戦ではしっかりとした手応えをつかむこともできた。

ドラフト会議は「見ないことにしました」
入れ替わりの激しいプロ野球。ひとたびチャンスを逃せば、すぐに転落していくのがこの世界だ。その上で、毎年ドラフト会議で新人選手も入ってくるが、水谷は意に介さない。「(ドラフト会議は)全然見てないです。あんまり興味ないですね。2、3年前ぐらいまではポジションどこやろ?とか気になって見てたんですけど、そんなにプロ野球は甘ないぞと思うんで、見とっても仕方ないところがある。だから僕は見ないことにしました」。苦しみながらも7年間、プロの世界で戦ってきた事実が、彼のメンタルを後押しする。

まだまだ増やすぞパイナポー!
自身のポジションを確立するためにも、10本塁打で満足するつもりは毛頭ない。「今の段階では後半戦あと10本。そこに向かってやっていきたいと思いますし、20と言わずに25、30と打てたらベストだと思うので、どんどん増やしていけたら」。長距離砲としての高みを目指して、バットを振り続ける。
「”1、2、3、ジェッシー!!!”」の掛け声でヒーローインタビューを締めた水谷(中央)