夏の大会100回目 小樽潮陵が北照撃破目指しコールド勝利【南北海道小樽】
小樽潮陵ただ1人の3年生・村岡主将は二回無死三塁から適時打を放った=撮影・西川薫
■全国高校野球選手権大会南北海道大会小樽支部予選(6月25日、小樽市営桜ケ丘)
▽準々決勝 小樽未来創造1-15小樽潮陵※五回コールドゲーム
五回コールドゲーム
1920年第1回大会に旧制・小樽中時代から
小樽潮陵が14安打の猛攻で五回コールド発進した。1920年(大正9年)の第1回全道大会(当時は支部予選なし。支部は1933年から)に、旧制・小樽中時代から出場し続け、戦争やコロナ禍を除き今年で100回目の出場。節目を飾るためにも、28日の準決勝では、公式戦5季連続で対戦し5連敗中の北照撃破を目指す。
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小樽潮陵はただ1人の3年生・村岡主将を試合途中にケガで欠きながらも五回コールドゲームで北照との準決勝に駒を進めた
試合後、校歌斉唱の列にただ1人の3年生で主将、村岡凌三塁手の姿はなかった。四回の守備で、三塁への打球がイレギュラーして村岡の顔面に直撃。したたる血とともに、苦悶の表情でベンチに下がり、勝利の瞬間はベンチで迎えた。それまではリードオフマンとして二回と三回に適時打を放っていた。試合後、「まず初戦を勝ち抜くことができて、次の北照戦に向けての課題をつぶしていくことが大事」。北照との大一番を見据えた。
指揮官も感心「練習の時に…を聞いたことがない」
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今年の3年の代は、入学時から村岡ただ1人。同時に同校に赴任した成田貴仁監督(44)は、村岡が1人で努力する姿を間近で見てきた。「練習の時に文句言うのを一回も聞いたことがない。ネガティブな言葉を聞いたこともない。こちらが何かを求めると、なんとも生き生きした表情で『はい』とこたえ、黙々と励む選手。時には落ち込んだり、とがったりすることがあってもいいんじゃないか、とこちらが思うぐらいでしたが、一切なかった。本人の人柄、性格だと思う。下の代の子たちにも、こういう姿勢で野球に挑むことが、どれだけ大きいことか伝えるのは大事。チームにとって宝です」と、絶賛した。
2年生エース上林も信頼「頼りにできるキャプテン」
2年生エースの上林遼真投手も「唯一の3年生なので、自分たちが支えていかないと。頼りにできるキャプテン。優しくて、接しやすい先輩です。1人でずっと頑張ってきたので、自分たちもひたむきに努力するところを見習わないといけない」と絶大な信頼を寄せている。
1904年創部。成田監督は「伝統ある古くからのチーム。自分も3年目なので、過去のデータまで自分で管理ができてなかった。でも100回の節目が、たまたま3年生が1人の代。すごく一生懸命頑張ってきた選手だし、何も腐らずに、めげない。初めて見るくらいのそういう選手と今回の節目を迎えられたのは、自分としてもうれしい」。村岡は、痛めた鼻を押さえながら「次も絶対、出ます」とキッパリ。手負いのリードオフマンが28日の準決勝で〝6度目の正直〟を成し遂げ、野球部の歴史に新たな1ページを刻み込む。
二回無死三塁から適時打を放った村岡主将