札幌南・蜷川が魚雷バットで5安打7打点と大爆発 2000年夏の甲子園復刻版ユニで頂点目指す【南北海道札幌】
札幌南・蜷川が魚雷バットで5安打7打点と大活躍した=撮影・西川薫
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部(6月23日、札幌円山)
▽Cブロック1回戦 札幌南41ー2札幌東豊 ※五回コールドゲーム
※五回コールドゲーム
25年ぶりの甲子園出場へ大勝発進
昨秋の全道大会で8強入りした札幌南が24安打41得点で大勝した。
昨秋から木製バットを使用する選手が多かったが、今春に道産ダケカンバ材で製作された〝魚雷バット〟を導入。2番・蜷川凛乙右翼手(2年)が5安打7打点をマークした。今春、2000年夏〝甲子園モデル〟のユニホームを復活させた。四半世紀ぶりの聖地へ、快勝発進した。
まさに思惑通り 「後ろめで捉えるように意識して」
魚雷が何度も〝敵艦〟を狙い撃ちした。
蜷川は「あまり速いピッチャーじゃなかったので、前に引き出されないように、ちょっと後ろめで捉えるように意識して打ってました。ミートがしやすくて、自分は春の大会からも使ってたんですけど、調子を戻すのにも適してて、愛用してます」と胸を張った。
ベストマッチの〝相棒〟で状態アップ
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
札幌南の魚雷バットは、810グラムほどという軽量モデル。今春、北広島・エスコンフィールド北海道に隣接する「日本野球の杜」に特注したオンリーワンのバットだ。
蜷川は「4月の末に届いたんですけど、その時からすぐ試して、そこで良いヒットが1本出て、使い始めました。使い始めてから、急に打てるようになっちゃって。春の大会もレギュラーとかじゃなかったんですけど、魚雷バットを最初に使った時に、良いヒットが出てから、ずっと出て、調子が良くなって。春の大会でもいいヒットが打てました」。通常モデルよりもグリップ側にミートポイントがあり、蜷川にはベストマッチした。
春の悔しさをバネに
春の支部初戦負けからの下剋上だ。初戦2回戦の藻岩戦では三回まで7ー1とコールドペースで試合を運んでいたが、エース・本間流郁投手(3年)と主軸の斎藤遼平捕手(3年)が相次いで負傷交代。そこから流れが悪くなり、逆転負けを喫した。
蜷川は「3打席目の時に先頭打者だったんですけど、その時に自分がペースをつくれなくて、その回0点になってしまって、そこがまず悔やまれる。4打席目の時に1点差で、もう後がないって状況で、ランナー一塁の状況で見逃し三振をしてしまった。そこでも1本出せなかったのも、敗因の一つなのかな」。2年生ながら敗戦の責任を感じている。
札幌南のエース本間は4回0封。春の支部1回戦の六回途中6失点から完全復活した
25年前の感動を再び
復刻版ユニホームは、田端広樹監督(42)にとっては、なじみ深いデザインだ。当時、主将としてチームを甲子園まで牽引した。
「去年の秋ベスト8ってところで、生徒たちも甲子園を目指して、取りにいこうっていう覚悟が決まった。であるならば、チームとしても刷新しようと、OBの人たちにも声をかけて、今回やってきた。札幌南っていうカルチャーを、どういうふうに野球を通して伝えていくかっていうのを、真剣に考えていく一つのきっかけ。実際に具体的な目標として甲子園を目指すっていうところに、生徒たちも先輩たちも含めて引き上げてくれたんで。であるなら、遠慮せず僕の方から、こういう方針一択でやろうと」。さらに、当時と同じ平つばのキャップに、同校の六華同好会のコンセプトから「M」のマークを新調した。
2000年夏の甲子園出場時のユニホームで再び聖地を目指す
難敵との2回戦へ 田端監督「全精力を尽くして」
2回戦の相手は、昨夏の南北海道準優勝の立命館慶祥。指揮官は「本当に格上の相手なので、うちとしてはそこに全精力を尽くして、こっから分析をしっかりかけて、思い切ってぶつかっていきたい」。蜷川は「ホームランを打ちたいなって思ってます。魚雷1号」
開催方式の変更で、今年で最後となる〝夏の支部代表〟に王手をかける。