【一問一答】北山亘基 悪夢払拭のヤクルト斬り「あの日から3年ぐらいたって…」
先発の北山は8回1失点の好投で4勝目を挙げた=撮影・井上浩明
■セ・パ交流戦3回戦 ヤクルト1-6日本ハム(6月12日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの北山亘基投手(26)が自己最多14奪三振の快投で8回を1失点(自責0)に抑え、4勝目を挙げた。今季の投球回数が61回⅓と規定に乗り、防御率1.17でパ・リーグトップに躍り出た。ヒーローインタビューと試合後取材の一問一答は以下の通り。
【ヒーローインタビュー】
―今の気持ちは
「ちょっときょうは、(さいこうきは)封印させていただきます(笑)。進藤のナイスリードのおかげで、最後まで良いピッチングができたので、まずは進藤に感謝と、野手の皆さんが援護点をたくさん取ってくれたので、最後まで自分のペースで投げ切れたので、きょうはみんなに感謝かなと思います」
ヒーローインタビューーに答える北山=撮影・小田岳史
―進藤とのコンビに手応えは
「正直、立ち上がりは自分の中ではまだしっくりきていない部分があったので、その中で進藤とイニングごとにすり合わせをして、中盤ごろから自分のペースで投げられるようになった。僕の強みをしっかりゲーム中に引き出してくれたので、ナイスキャッチャーだったなと思います」
―自己最多14奪三振。特に良かった球は
「中盤からストレートもしっかり強い球になってきましたし、本当にリードのおかげで自分のピッチングがどんどんできるようになったので、キャッチャーに感謝です」
―七、八回、直球の勢いが衰えなかった。手応えは
「オフシーズンから、しっかりそこを目標に頑張ってきた成果が少しずつ表れているんじゃないかなと思います。まだまだ高みを目指してそこはやっていきたいと思いますし、引き続き頑張りたいなと思います」
―ファンへ
「いつも、プレーボールからゲームセットの瞬間まで、全力で応援してくださるのが、プレーしている選手に伝わってくるのはみんな分かっているので、いつもそれを力に変えて頑張っています。きょうもたくさん声援をもらったおかげで勝てたと思うので、またあしたからも交流戦が続くので、引き続き熱い声援をいただけたらうれしいと思います。よろしくお願いします」

―3連勝。貯金10。チームを代表して
「しっかり勝ってカブトの緒を締めろと言いますけど、あしたからも続くので、きょうで切り替えて、またあしたからも全員で頑張っていきたいと思いますので、また応援よろしくお願いします」
【試合後の囲み取材】
―中盤から直球が強くなった要因は
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「フォーム的なところがちょっと、浮足立っている感覚というか、動き的にもちょっと力の伝え方にまだ納得していないところがあったんですけど、そこが球数だったりピッチングの中で、なじんできてというか、しっくりくるようになってきて、より思いっきり腕が振れるようになってきた。ちょっと始めは合わせている感じがあったので、そこがなくなってきたのが良かったんじゃないかなと思っています」
―序盤は変化球での三振が多かったが、フォームの影響か
「そうですね。スプリット、フォークボールをちょっとこのシーズン中、シーズンをかけてというか、形にしていきたいという課題が一つあるんですけど、それがちょっと、この調整期間中にいい発見があったりして、きょうはそれがだいぶ良い形で使えたので、前半、フォークボールでの三振がたくさんあった。真っすぐが乗ってくる前の段階で、それでしっかり三振を取れていたことがすごく、収穫かなというところと、真っすぐが乗ってきて、より一層、相手の手出しも広くなってきて、自分のペースになってきた。真っすぐがまだ本調子じゃないタイミングでも抑えられる引き出しになったのは、収穫だったんじゃないかなと思います」

―昨年のフォークとは何が違うか
「より落とそうとしないフォークというか、よりフォークにしようとせず、真っすぐの延長線上で伸びてこない、落ちる、みたいな。振りだしたら落ちてきたぐらいの軌道になってきているかなと思うので。今までは、フォークと真っすぐは別物という感覚でしか落とせなかったんですけど、だんだん真っすぐの延長でフォークが落ちるようになってきた。体も変わって、技術もちょっとずつ付いてきた結果、それができるようになってきているんじゃないかなと思うので。まだまだ完成度に納得はしていないですけど、いい兆しになってきたんじゃないかなとは思っています」
―昨年より、落差は少ないのか
「いや、落差もありますし、バッターがスイングをかけたタイミングでどう見えているかというところが大事かなと思うので、フォークだと思って振って落ちて空振り、ではなくて、真っすぐだと思って振って結果、フォークだったみたいなニュアンスにちょっとずつなってきている。もっともっと、より精度を上げていきたいなと思っています」
―握りを変えたか
「握りはそんなに変えていないですけど、体というか、可動域だったり、動くべきところが動いて、無駄のない運動連鎖の中で、最後まで腕が振れると、フォークの落ち方も変わってきますし、より真っすぐに近いフォークになってくる。変化球と真っすぐが別物という考え方ではなくて、真っすぐの握りが違うだけという。始めから変化球を投げようとして投げるのではなく、真っすぐと同じように投げて、結果、握りが違う分、変化がつくという感覚で。体がそれに対応できるようになってきたので、そこはもっと、より精度を上げていきたいなと思っています」

―登板前は何を食べているか
「試合前はだいたい、うどん1玉と、フルーツをたくさん取る。24時間前から僕は、カーボローディングするんですけど。フルーツは、試合前は炭水化物とビタミンを取りたいので、きょうはオレンジとパイナップルとキウイ。サロンに置いてあるものを食べました」
―一回の失点後は、どう切り替えたか
「あれは、立ち上がりでフォアボールだったりデッドボールでのランナーではないですし、単打OKと思って入っているので、たまたま不運な流れで1点入っただけなので、その後しっかり(イニングの)最後のバッターを打ち取れているので、何も気にすることないなというか、自分の状態が悪かったり、失投が続いての失点というわけではあまりなかったので、不可抗力というか、そこは気にしても仕方ないと切り替えて。その後もすぐ同点に追い付いてくれたので、ここからフラットだという気持ちで、二回の頭から初回と同じような気持ちで入れたので、すぐ取り返してくれた野手の打撃にもすごい感謝かなと思います」
―投球回数が規定に乗って、防御率がパ・リーグトップ
「そこはもう、個人的にも目標にしている部分ですし、もちろんやるからにはリーグで一番の成績を取りたいと思ってやっているので、今は途中経過ですけど、ひとまずそこに名前が載ったというのはすごくうれしいです。でもそこに慢心せずというか、もっともっと貪欲にやっていきたいなと思うので。とりあえずこのオフやってきた成果が一つ、途中経過としては形になって、数字として出ているので、そこは一つ収穫として捉えて、そこからもっと高みを目指してやっていきたいなと思います」

―キャリアハイの14奪三振については
「きょうはそこまで、自分の肌感覚と奪三振の多さがあまり一致していないというか、結果的に取れた三振もあったので、自分の過程、道筋に納得して取れた三振は14個あるうちの何個か、と言われると全部ではないので、そういう意味ではまだまだ、数字としては良かったですけど、内容としては、ちゃんと納得いって三振を取れた数は少なかった。次は全部、納得できる三振に、内容も伴ってできるようにやっていきたいなと思っています」
―プロ1年目のヤクルト戦では、2戦連続サヨナラ被弾と苦い経験をした。それ以来の同戦に感じる部分は
「実はそれもちょっとあって、だから何というのはないですけど、その経験は自分の中ですごく大きな経験になっていますし、きょう登板する前もそれ以来だなと思いましたし、あの日から3年ぐらいたって、より成長した姿だったり、あの経験を無駄にしていないんだよというところを証明できたらいいなという気持ちできょうはマウンドに上がった。当時は中継ぎでしたけど、今は先発として長いイニング、試合をつくれたというのは、当時の自分にいい報告ができるんじゃないかなと思うので、これもまた通過点として捉えて、もっともっと高みを目指してやっていきたいなと思っています」
22年のヤクルト戦、2戦連続でサヨナラ被弾を浴びて迎えた3戦目に登板し、リベンジを果たした北山