田宮裕涼 2軍で復調気配 降格時の「一つ心配だった」ことと、郡司からの優しい言葉とは
室内練習場でバットを振る田宮=撮影・近藤裕介
状態は上向き 「もう全然、違うかな」
日本ハムの田宮裕涼捕手(24)が打撃の調子を取り戻してきている。
5月19日に出場選手登録を抹消されてから、2軍で5試合に出場。打率こそ.278だが、5本の安打のうち3本が長打で4打点をマークし「(状態は)比較的、良くはなっているんじゃないかなと思います。もう全然、(1軍にいた時とは)違うかなという感じはあります」と手応えを口にした。
新庄監督の指摘を受けて2軍落ち
球宴にも選出されるなどブレークを果たした昨季、2軍での出場はなかった。今季も開幕から1軍で22試合に出場したものの、打率は.225。5月は特に25打数2安打、.080と振るわず、新庄監督から「ちょっとバッティングのしなりを感じない」と指摘を受けて、久しぶりに鎌ケ谷の打席に立つこととなった。

2軍では意外にも…
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降格が決まった際、田宮は小さな不安を感じていた。「一つ心配だったのは、今まで2軍ではあんまり打率が残っていなかったことです。もしかしたら、打てないんじゃないか?という気持ちにはなりました」
1軍では昨季、打率.277だったが、2軍では21年の.253が最高。22年は.219、ブレーク直前の23年も.220だった。

試行錯誤が数字に結実
ネガティブなデータを吹き飛ばすように、練習に没頭した。
「タイミングが取れていなかったので、しっかりタイミングが取れるように、最初だけですけど、遅い球を打っていました。遅い球はちゃんとタイミングを取らないと打てないので」と、マシンで山なりのボールを打つなど、試行錯誤を繰り返した。
すると、5月23日のくふうハヤテ戦から4試合連続で安打を放ち、同28日の2軍DeNA戦では二塁打2本で2打点と活躍。「1軍で打っていたんだから、さすがにもう成長しているだろうと、自分を試せる場だとも思っていました。そこはしっかり、自分が成長しているっていうことを実感しながらやりたい。成長はしているんだと実感して、もう一回、自信を付けていきたいです」と力を込めた。
意気に感じた郡司からのエール
多くの先輩たちにかわいがられる田宮だが、1軍を離れる際に同じ捕手の郡司から優しい言葉をかけられた。
「みんなにあいさつしたかったんですけど、(山崎)福也さんには会えなかったんですよ。(伏見)寅威さんとか、郡司さんはよく話します。郡司さんには、『すぐ(1軍に)上がってこれるでしょ。大丈夫だよ!』みたいな感じで言われました。もう、頑張ってきます! みたいな感じで返しました」

近づく完全復活 輝く笑顔が物語る
シーズンはまだ前半だが、3日からは交流戦がスタートした。のんびりはしていられない。
「最短(10日間)で上がることはちょっとできなかったので、なるべく早く上がってチームの役に立てるようにしたい。しっかりまた、皆さんをびっくりさせるような活躍ができたらなと思います」。ちゃめっ気のあるいつもの〝ゆあスマイル〟が、打棒復活の予感を漂わせていた。