宮澤裕樹 7試合ぶり出場で千金アシスト「戻ってくることができた。ここからチームを助けたい」
後半途中から出場したMF宮澤=撮影・石川崇子
■J2第18節 仙台1-1札幌(5月31日、宮城・キューアンドエースタジアムみやぎ)
北海道コンサドーレ札幌は31日、敵地で仙台戦に臨み1―1で引き分けた。後半25分から途中出場したMF宮澤裕樹(35)が、試合終了間際にFWアマドゥ・バカヨコ(29)の同点弾をアシスト。7試合ぶり出場のベテランが存在感を示し、リーグ上位を走る難敵から勝ち点1をもぎ取った。
途中出場の男たちが真価発揮
札幌のバンディエラが、価値ある仕事をやってのけた。後半43分。田中克の右クロスを大外で待ち構えていた背番号10は、折り返しを1度は相手DFにクリアされるも、再び頭で浮き球のパスを送り込んだ。最後はバカヨコがヘディングで押し込み、土壇場でゲームは振り出しに。途中出場の男たちが真価を発揮し、勝利への可能性をつないだ。
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試合を終えた宮澤は「自分の与えられた役割は、なんとか勝ち点3を取ること。追いつきましたけど、その後に逆転まで持っていけなかったのが悔しい。僕たちは上を目指しているので、目標達成のためにはアウェーで勝ち点3が必要だった。最低限の結果だと思います」と同点劇を淡々と振り返った。
後半43分、同点となるヘディングシュートを決め喜ぶバカヨコ
チームの精神的支柱 中断時間にしたことは…
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メンタル、技術の両面で欠かせぬ存在であることを、あらためて証明した。会場のある利府町はこの日、試合開始直後の午後2時過ぎから大雨警報が発令されるほどの悪天候だった。雨脚は段々と強まり、前半13分には雷の影響で試合が一時中断。79分間に及んだ〝水入り〟の時間に緊張感が途切れないよう、積極的に周囲へ声を掛けたという。
「もう1回集中して入れるように。その時間で(試合開始後の)10分間の中で出た自分たちの課題をチームとしてしっかり見直すことができた。ここまでの大降りはなかなかないけど、相手も条件は一緒。ピッチ内は球も走って、そこまで悪条件ではなかったので問題はなかったと思う」
ベンチからじっくり試合観察 チームに必要なことを分析
ゲーム再開後から出番までの時間は、じっくり試合を観察し、チームに足りないものを考え続けた。つなぎのパスサッカーを展開してもフィニッシュまで持ち込めない状況を把握し、自らの役割を「ゲームを落ち着かせながら、前進してくこと」と明確にした。
宮澤の投入後はより良いリズムが生まれ、札幌の攻勢は強まった。スムーズに相手ゴールに迫り続けた要因を「前半は繋いでいるけど、落ち着かせるボール回しが多かった。自分が入ってからは中でしっかり動かして、縦パスだったり前進していくボール回しを意識した」と冷静に分析した。

12位からの逆襲へ 頼れる選手が続々帰ってくる
第11節・大宮戦で左ハムストリングスを痛め約2カ月の離脱を余儀なくされたが、シーズンはまだ中盤。12位からの巻き返しへ、時間はまだ残されている。
「コンディションさえ整えば、まだまだ自分のパフォーマンスを出せる自信がある。前半戦はケガが多くて計算できない選手だったけど、戻ってくることができた。ゲームに絡めたら役に立てると思う。ここからチームを助けたい」
約2週間の中断期間には荒野や馬場、パクミンギュら主力選手たちが続々と復帰する見込み。しばしの休みに戦力を整え、札幌は逆襲を開始する。