《仙台戦後》彼らがチームの中心として声をかけ続けることで、全体の戦い方がそろう《岩政Talk》
■J2第18節 仙台1-1札幌(5月31日、宮城・キューアンドエースタジアムみやぎ)
試合後、取材に応じた岩政大樹監督(43)の一問一答は次のとおり。
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
―試合を振り返って
「きょうも北海道から1500人のサポーターの方々が来てくださったと聞いています。中断になっている時間は僕たちのロッカー周辺にも、声を枯らして歌ってくれているのが聞こえていました。その声に勝ち点3で応えられず悔しく思っています。全体としては選手たちが精一杯戦ってくれて、戦術的な準備もしっかり遂行してくれた。良いまではいかないが、しっかりとした試合をした印象です。それを勝ち点3に結びつけられないので、まだ足りなさがあると感じました。それを2週間の中断期間に埋めて、終盤戦に勝負をかけられるようにしたい」
【途中出場でバカヨコ同点弾「でも勝ち点3ポイントが欲しかった」】
―大雨の試合でどのような戦い方を想定していたか。また中断時の選手たちへの声掛けは
「雨に関しての影響はあまりないです。グラウンドは水たまりもなく、素晴らしいピッチ状況でした。雨ではなく対仙台のメンバーに対してミーティングで話したことを、選手たちはしっかり遂行してくれた。うまく攻略できたところもあったし対応できたこともあったが、仙台は非常に力のあるチーム。さすがだなという場面もあり0に抑えられなかった。中断の間は(プレーした)12分ぐらいの映像を見ることができたので、それを踏まえて選手たちと(情報を)共有した。準備の段階でできていたことが12、13分の間にもある程度出ていた。さらにどのようなプレーを上乗せすれば攻略できるかを確認しました」
【宮澤裕樹 7試合ぶり出場で千金アシスト「戻ってくることができた。ここからチームを助けたい」】
―宮澤が7試合ぶりに出場した
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「素晴らしかったです。アシストもしてくれました。入ってすぐに流れを変えてくれて、さすがだなというプレーでした。大﨑もそうですね。彼もコンディションが戻って来てパフォーマンスを上げてきた。来週は一気に選手が帰ってくる。もう少し段差をつけて帰ってきてほしかったですが。さらに新しい選手も入ってくる。まだまだですが、戦力的には整いつつある。それも踏まえて全員で競争して6、7月にスパートを掛けられたら」
―交代選手の宮澤、バカヨコの活躍で追いついた。交代時の指示は
「宮澤に関しては僕よりもサッカーを分かっている人ですから、そんなに言うことはないです。細かいところはポジションのところ。ポジションを落とす選手がいたので、その辺の指示がメーンでした。アマドゥ(バカヨコ)に関しては先週いろいろな面で不本意なプレーを見せてしまっていた。本来、少し時間を置いて試合に出そうと思っていました。先週の試合後に、ああいうプレーぶりでは出すことはできないと話した。その後のトレーニングで良いパフォーマンスと姿勢を見せて、僕の心を変えました。きょうはメンバーに加えて途中から勝負を懸ける時間に使おうと考えました。特に仙台の守備に対して相手の中盤を引き出すことはできていたが、その奥になかなかボールが入らなかった。スペースは空いていたので、そこにアマが入れば機能すると思っていた。それを前半のうちに通訳を介して指示を出して、見事に遂行してくれた。彼が相手のボランチの後ろで起点になることで、チームは前に進むことができた。彼に求めるゴール前に入る動きも非常に良かったし得点も取ってくれた。チーム全体の最後のピースとして重要な役割を担ってほしい」
―強敵の仙台に敵地でドロー。戦術的にうまくいったこと、うまくいかなかったことは
「予定外のことはないです。ただ予定内だからといって抑えられるほど簡単ではない。選手の質、強度があるので。球際や切り替えで上回られた。前半はお互いに非常に集中した試合ができて0-0でいけると踏んでいたが、押し切られてしまった。さすがだなという印象ですし、自分たちはあれで押し切られるようでは甘い。昇格したいですし去年はJ1にいたチーム。驕りという意味ではなく、もっと上を目指すのであれば0-0で終わって帰ってきて、後半の勝負につなげないといけない。ゲームマネジメントの課題がきょうも出たと思います。しのいでいれば後半に(交代)カードを持っていたので、勝ちきれる展開に持って行けた。甘さもありましたし、仙台の強さもありました」
―大﨑がアンカー。ジェスチャーでも牽引していた
「良さは十分に出ていました。ここまでのコンディションに来てくれたことが喜ばしい。宮澤を含め、アンカーポジションでプレーできる選手が戻ってきてくれたのは非常に大きい。大﨑も宮澤もチーム全体を声で引っ張ることができる。ゲームマネジメントの課題を抱えているので、そういう面で彼らがチームの中心として声をかけ続けることで、全体の戦い方がそろう。きょうも2人のおかげで勝ち点が取れたという言い方ができる。ただ勝ちきってないので、まだまだ彼らにも要求しながら、この2週間でみんなと競争させたい。馬場も荒野もパクミンギュも帰ってくる。彼らもポジジョンは保証されていない。ただ、きょうは彼らが長い時間プレーできたことが良かったです」
■プロフィール 岩政 大樹(いわまさ・だいき) 1982年1月30日生まれ。山口県出身。岩国高、東京学芸大を経て、04年に鹿島入り。CBとしてチームの堅守を支え、07年から09年までのJ1鹿島の3連覇に貢献した。日本代表としても8試合に出場。10年の南アフリカW杯のメンバーに選出された。13年限りで鹿島を退団した後、タイ1部BECテロ・サーサナFC、岡山、東京ユナイテッドFCでプレーし、18年シーズンで現役引退。指導者としては、21年に上武大の監督を務め、22年から古巣・鹿島のトップチームコーチに就任。同年8月から監督に就任し、23年シーズン終了までチームを率いた。24年はベトナム1部ハノイFCで監督を務めた後、9月に母校の東京学芸大のコーチを務めた。