【プレーバック】春季全道大会準々決勝 知内5-3北見北斗※延長十回タイブレーク(5月28日、札幌円山)

知内が2試合連続の延長戦を制す
4強一番乗りを懸け、知内は昨秋にベンチ外の渋谷來夢投手(3年)、北見北斗は2試合連続でエース・北原龍投手(3年)が先発マウンドに上がった。
先制は北見北斗。二回先頭の4番・松岡翔汰捕手(3年)がチーム初安打となる中前打で出塁すると、後続が犠打野選と犠打で1死二、三塁。ここで7番・松岩昭翔右翼手(3年)の右前打で先制した。
知内も三回にすぐ反撃した。先頭のリードオフマン・鈴木勇翔三塁手(3年)が中前打。初めて無死から出塁すると、犠打と四球などで2死一、二塁。5番・中島琥雅二塁手(3年)の打球を相手二塁手が外野に弾く間に、二走・鈴木勇が生還して同点。さらに主将の6番・板垣宏征捕手(3年)の右翼線への打球がバウンドする際に跳ね、右翼手後方へ抜けるラッキーな三塁打で2点を追加。勝ち越しに成功した。
2点を追いかける北見北斗は、六回に3本の単打で1点を返すと、七回には1死二塁から3番・菊地颯空一塁手(3年)の左中間二塁打で同点に追いついた。続く八回にも1死一、三塁と勝ち越しの好機をつくった。
しかし1死後、知内は打線が5巡目に回ったところに1回戦で151球を投げたエース・田澤慶明投手(3年)にスイッチ。最後は134キロの直球で空振り三振に切って、ピンチを免れた。九回は両チームとも三塁まで走者を進めながらも決定打が出ず。延長に突入した。
疲れはピーク。無死一、二塁から始まる延長十回タイブレーク。幕切れはミスから生まれた。知内の打席には三回に勝ち越し2点打を放っている板垣。七回に捕手からマウンドに上がり、内野安打1つに抑えていた北見北斗の松岡から2度の暴投を見極め、1点を勝ち越し。さらにきっちりと一ゴロを打って、追加点を奪った。
2点のリードをもらった知内の田澤は、無死一、二塁から3者凡退で締めくくり、1回戦から2試合連続のタイブレークをものにした。知内は3季通じて道大会30勝。春は27年ぶりの4強入りを果たした。
■三回に2点三塁打、タイブレークでも打点を稼いだ知内の板垣宏征主将(3年)
「(初戦から)2回連続タイブレークで、前回の経験を活かして先制できた。1個ずつ丁寧にアウト取っていこうというところで田澤がしっかり踏ん張ってくれて、その結果が勝利に結びついたのかな。支部からどんな状況でも、ランナーが出たとしても最小失点で守り切ったところは、全道に来てもずっと続けられてる。徐々にチームの一体感が出てきている」
■敗れた北見北斗の鈴木収監督(56)
「攻撃面でも守備面でもミスが出てしまうとダメ。もちろん私の反省もありますし、同時に選手たちもちゃんと決められなかったとか、自分の課題があるということを夏に向けてやってくれると思います」