冬季スポーツ
2021/12/27 14:31

川島”3度目正直”家族でつかんだ初五輪 スマイルJ内定23選手発表

夢をかなえるため一家5人で苫小牧移住「誇り胸に」憧れの舞台へ

アイスホッケー女子日本代表に初選出された川島。念願の五輪舞台に臨む(JIHF photo 永山礼二)

 日本アイスホッケー連盟は26日、来年2月の北京五輪に出場するアイスホッケー女子日本代表23人を発表した。初選出は8人。ソチ、平昌五輪の代表候補だった札幌市出身のDF川島有紀子(25、道路建設ペリグリン)は“3度目の正直”で初のメンバー入り。念願の五輪舞台に挑む。

2度の鎖骨骨折乗り越え悲願成就

 あと一歩のところで代表入りを逃したソチ、平昌五輪。2度の鎖骨骨折といった苦難も乗り越え、川島がついに五輪切符を手にした。
 家族一丸で目指してきた五輪出場だ。中学1年時、苫小牧市に拠点を置く岩倉ペリグリン(現・道路建設ペリグリン)に入団。札幌市の自宅から片道1時間以上かけて練習に通った。
 週末や長期休暇の際には両親が自宅とスケートリンクを1日2往復することが多かった。早朝に家を出て深夜に帰宅する日も珍しくなく、車中で宿題と食事を済ませることは日常茶飯事だった。
 練習場近くに住む選手に比べ、決して恵まれた環境ではない。上を目指すには生活環境を変えることが必須だった。「苫小牧に行きたい」。中学2年時、アイスホッケーをしていた双子の弟2人とともに氷都への移住を両親に直訴した。
 熱い思いを受け取った父の考雄さん(55)。日本代表入りを目指す娘たちからの言葉に、迷うことなく移住を即決した。持ち家を売却し、札幌で営んでいた自営業を辞めて苫小牧市内の会社に転職。母の佐知子さん(52)とともに子どもの夢を後押しした。
 来年2月の本番に向け川島は「初出場で緊張する部分もあるけど、日本代表という自覚と責任、誇りを胸に、チームの勝利に貢献できるように頑張りたい」。憧れ続け、ようやくたどり着いた4年に1度の大舞台。家族の思いも背負い、北京のリンクに立つ。(島山知房)

■プロフィール

川島 有紀子(かわしま・ゆきこ)1996年11月16日、札幌市生まれ。ポジションはDF。札幌大倉山小1年時にアイスホッケーを始める。札宮の森中に入学後、中学2年の12月に苫東中に転校。卒業後、駒大苫小牧高に進学した。日本医療大を経て、現在は理学療法士として西岡第一病院に勤務する。163センチ。家族は両親と双子の弟2人。

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