進藤勇也 待ちに待ったプロ初安打! 「上武大学のキャプテンって感じ」と評される女房役の〝横顔〟
七回、プロ初安打を放った進藤が五十幡の2点打三塁打で生還=撮影・小田岳史
■セ・パ交流戦3回戦 ヤクルト1ー6日本ハム(6月12日、エスコンフィールド北海道)
通算24打席目で記念すべき初安打!
日本ハムの進藤勇也捕手(23)が「9番・捕手」でスタメン出場し、七回の第3打席で中前打。昨季からプロ通算24打席目で、待望の初安打を放った。
ルーキーイヤーの昨季は2試合の出場にとどまった。将来の正捕手候補と名高い背番号33が、大きな一歩を踏み出した。
大学時代、ともに日の丸を背負った左腕が語る
ドラフト同期の細野とは、大学時代から日本代表でバッテリーを組んできた。制球力が課題と評され、悩んでいた左腕を見かねて、進藤は「リーグ戦で(制球が)バラついた試合があって、周りが言い出しただけ。僕は全然、コントロールが悪い印象はない」。時には、ゲキを飛ばすこともあった。
しっかり者で頼もしい女房役について、細野はこう評する。「勇也は本当、上武大学のキャプテンって感じです」
1軍でバッテリーを組む細野(左)と進藤
全国大会常連の強豪で3年から主将
上武大は関甲新学生野球リーグに所属する全国大会常連の強豪校。野球部員が200人ほどいる中で、進藤は3年生から主将を任されていた。
当の本人は「上武大は監督がまとめるより、選手主体でやらないといけないんですよ。3年生からやらせてもらったんですけど、キャプテンはきつかったですね」と苦笑いで振り返る。
【道新スポーツ全部読める 2千円お得な年払い】
チームメートを最優先 〝悩み相談〟も
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
主将になってからは、自分よりもチームメートのことを優先するようになった。
「自主練習もやっていないですね。夜1人で室内でこそっとやったりとか。みんなが練習している時は手伝いというか、ティーを投げたり、下級生のキャッチャーを集めて技術指導したりとか。人に費やす時間が長かったですね」。退部を考えている部員に「やめるのは自由だけど、ここに残る価値もあるんじゃない」と説得したこともあった。
昨年の新人合同自主トレで打撃練習をする進藤
巧みなかじ取りでチームをけん引
学生の部活動というより、会社のようだった。
「組織をつくっていく中で、僕が全部見られるわけではない。各グループにリーダーを置いて、掃除とか道具の担当とか決めて、なんかしら役職を就ける。それぞれにトップがいて、集まって話していました。週1回とか幹部会があって、議題を挙げて議事録を作っていました」。リーダーとして、200人の部員をまとめることに奔走した。
心技体すべてで成長した4年間
決して楽ではない日々だったが、進藤は自分のやるべきことを理解していた。
「僕がそうすることによってチームがまとまるじゃないですか。下級生で試合に出られない人たちも、いつも手伝ってもらっているから試合で心を込めて応援する。そういうので200人がまとまったら強いなって。地方なので、東都、(東京)六大とかみたいにすごい選手が来たりしない。200人が束になったらどこにも負けないので、技術で勝つより、まとまり、チーム力で勝つ。そういうのを大事にしている大学。結構、鍛えられました。人としても成長できる環境ではありました」。上武大時代のかけがえのない経験が、捕手・進藤勇也を一回りも二回りも大きくさせた。
