進藤勇也 憧れる浅村の2000本安打に刺激 快挙当日に〝突撃取材〟「僕が気になっているところを…」
24日の試合前練習で楽天・浅村(左)と会話する進藤=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ11回戦 日本ハム1-1楽天(5月25日、楽天モバイルパーク宮城)
プロ初安打はお預けも細野を好リード
何にも代えがたい経験を重ねている。日本ハムの進藤勇也捕手(23)が「8番・捕手」で先発出場。同期の細野を好リードして、7回1失点の快投を引き出した。
打撃では3打数無安打1四球と、今季1軍出場4試合目でまたしてもプロ初安打はお預け。それでも、前日24日には平成生まれ初の2000本安打を達成した楽天・浅村と言葉を交わすことに成功し、貴重なアドバイスをもらった。

息ぴったりの若きバッテリー
細野のリードは、「いつも通り」で十分だった。大学時代からバッテリーを組み、プロに入ってからも左腕の投球を受け続けてきた。
「本当にいつも通りいきました。特別良いとか、特別悪いとかはなく、いつも通り投げてくれたので、そこは良かったなと思います。バッターのデータはもちろん頭に入れましたけど、本来の細野のピッチングをさせることを一番に考えてやりました」。呼吸を合わせ、リズム良く犬鷲打線を抑え込んだ。
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新庄監督も待ち遠しい1本目
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一方、バットではなかなか本領を発揮できずにいる。15日に1軍に昇格してから、12打席に立って10打数無安打。昨年の1軍戦も3打数無安打に終わっており、プロ初安打が遠い状況だ。
試合後は「いやー」と手で顔を覆い、苦笑いで「早く(プロ初ヒットを)出したいですね」と気持ちを込めた。
記念のボールを回収しようと、進藤の打席では常に新庄監督がベンチで立って待ち構えている。当然、目には入っており「座って見てもらえるように、早く打ちたいと思います」と意気込んだ。

前日に尊敬するバットマンが大台到達
まだ〝1本目〟にたどり着かないうちに、憧れの人は目の前で〝2000本目〟を放った。
大学時代からフォームをまねるなど、映像を見て打撃の手本にしてきた楽天の浅村が、24日に名球会入りの条件になっている偉業を達成。進藤はベンチで、感動の瞬間に立ち会った。
敵チームの主砲とはいえ、尊敬してやまないプロ野球の大先輩。「参考にしている選手を目の前で見ることができて、うれしかったですし、これから僕も、ああいう(浅村のような)バッティングができるようになっていきたいなと思いました」と大きな刺激をもらった。
積極姿勢が奏功 憧れの存在から指南
さらに、進藤は浅村と同じグラウンドで試合をする貴重な機会を生かそうと、動いた。遠くから眺めているだけでは、もったいない―。意を決して、憧れの右バッターに〝突撃取材〟を敢行した。
「きのう(24日)、あいさつをしに行きました。バッティング、参考にしていますという話をして、いろいろ僕が気になっているところを話して、教えてもらいました」
24日の試合前練習で楽天・浅村(左)と話す進藤
活躍こそ恩返し 「頑張りたいなと思います」
偉大な記録を打ち立てた男は、優しかった。親身になって、いろいろな質問に丁寧に応え、背中を押してくれたという。
「本当にありがたいです。頑張りたいなと思います」。もらった恩は、絶対に忘れない。これからのプレーで、浅村さんに恩返しをしていくつもりだ。