16歳・根田うのが1打差で初タイトル「きのうの夜も最終日を回ってる夢を…」【道女子アマゴルフ選手権】
初優勝を飾った根田=撮影・西川薫
■北海道女子アマチュアゴルフ選手権最終日(5月16日、千歳・ザ・ノースカントリーGC)
7年ぶりの高校生Vだ。首位で出た立命館慶祥高2年の根田うの(札幌北広島GC)が、アウト36、イン36の72でホールアウト。3日間通算1オーバーで、2位に1打差の逃げ切り初優勝を飾った。高校生の優勝は2018年に当時北海学園札幌高1年の内田ことこ(22、加賀電子)以来。根田ら上位6人は6月17日から滋賀・名神八日市CCで行われる日本女子アマチュアゴルフ選手権の出場権を得た。
念願の初タイトル「やっと終わった」
欲しかったタイトルをついに手に入れた。昨年は最終日を首位でスタートも、悔しい逆転負け。大会開幕前から極度の緊張で「きのうの夜も最終日を回ってる夢を見るぐらい、ほんとに大変だった。寝てる間も緊張していて、大きな舞台も何回も行ったことありますけど、優勝争いが一番緊張するので『やっと終わった』って感じ」と、優勝カップを手に安堵の表情を浮かべた。
10番でティーショットを打つ根田
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成長の証しを見せつけた。去年は「何もできなかった」と序盤に逆転され、終盤に盛り返したが2打差の3位。ドライバーの平均飛距離は240~250ヤード。小技の引き出しも増えたが、メンタルが課題だった。「緊張しても自分のプレーをできるようにするには、どうしたらいいか」。導き出した答えは「ただ振って、となるとやっぱり不安になるし、さらに動けなくなるのも、去年の最終日で痛いほど分かった」。スイングの始動数10センチを、手だけでクラブを持ち上げず、体全体で上げていくことを心がけた。
父から学んだプロゴルファーの思考
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尊敬する父・聡さん(53)から、プロゴルファーの思考を学んだ。父は道内の男子ツアー開催時に、宮瀬博文(54)や、加瀬秀樹(65)のバッグを担いでいた元プロキャディー。「あとは自分で感じた部分で、こうだよね、と言ったら『そう思う』とか、意見交換はしてます」。
「最後、勝つまで勝ったと思うな」
最終日前日に、聡さんから「最後、勝つまで勝ったと思わない方がいい」との金言を心に刻んで戦い抜いた。父の予想は的中。残り3ホールで2位に3打差をつけていたが、17番でティーショットを池に入れるなど2打落とし、後続に1打差に追いつかれた。それでも最終18番パー5を3オン2パットでまとめ、ライバルたちに一度も並ばれることなくホールアウト。「始まる前の目標が3日間で10アンダーだったので、3日間で1オーバーは自分的にはふがいなかった。それでも、緊張感ある中で自分にできるベストなプレーはしてたのかな」と納得のラウンドだった。
身長173センチと群を抜く存在感。19年と22年にIMGA世界ジュニア選手権の年齢別優勝を果たすなど、早くから将来を期待されてきた。4月には、新2年生ながら日本高校ゴルフ連盟ポイントランキングで3位に入り、4月の強化合宿メンバーに選出。派遣競技の成績により6月に行われる国内女子レギュラーツアーのヨネックスレディスの本戦切符が懸かる、マンデートーナメントの推薦出場のチャンスを得た。
18番パー5でウイニングパットを決めた根田
6月の日本女子アマで優勝目指す
すでにプロトーナメント出場の経験もあるが、プロテスト受験解禁は高校3年に進級する来年だ。だが主催者推薦で出場したツアーで優勝することができれば、テスト免除でプロゴルファーの資格が手に入る。すでに「EXEO」グループのスポンサードを受けており、左袖にはワッペンがついている。日本女子アマの優勝者には、国内プロメジャー・日本女子オープン出場権が与えられる。4度目の本大会挑戦へ「自分の目標、2桁アンダーを3日目、4日目になった時に作れるように冬の間にやってきた。自分の目標を達成したら勝てるんじゃないか」。一回り大きく成長した根田が、夢に向かって突き進む。
日本女子アマに出場する根田(左から3人目)ら6選手