斎藤佑樹さんが手掛けた長沼町の少年野球専用球場「はらっぱスタジアム」がプレオープン
野球ボールをイメージした球場のモニュメントで記念撮影する斎藤佑樹さん(右)と栗山CBO=撮影・西川薫
栗山CBOが特別ゲストとして出席
令和の〝フィールド・オブ・ドリームス〟だ。元日本ハムの斎藤佑樹さん(36)が昨年8月から長沼町に造成していた少年野球専用球場「はらっぱスタジアム」が5日にプレオープンした。両翼は70メートル、中堅85メートル。フェンスは木製で設置するなど手作り感満載の球場となっている。この日は地元少年野球チームによる記念試合が行われ、その前には特別ゲストとして出席した現役時代の恩師である日本ハム・栗山英樹CBO(64)を打席に立たせて〝ガチンコ対決〟するなど、新たな門出に花を添えた。
「のびのびと野球をやってほしい」
構想3年、ついに夢だった球場が完成した。フィールド横の橋からは、北広島市のエスコンフィールド北海道を望める立地。こけら落としの記念試合で子供たちがプレーする姿を見ながらここまでの経緯や球場への思いを話した。「5月5日に間に合わせるべく、雪解けけしてから短い期間で急ピッチでつくり上げました。まだまだ完成ではないけど、まずは野球ができるという環境をつくることができたのはすごくうれしく思っています。このロケーションの通り、のびのびと野球をやってほしい。みんなに勝ち負け関係なく、今与えられている自分の役割も関係なく、とにかくあのフェンスをオーバーするホームランを目掛けて、それだけを目掛けて野球をやってほしい。そんな思いで『はらっぱスタジアム』という名前をつけました。ぜひ、のびのびと野球をやってほしい」と願いを込めた。
元日本ハムの斎藤佑樹さんが長沼町につくった少年野球専用球場
恩師も02年に「栗の樹ファーム」
晴れ舞台の日に、これほど適したゲストはいなかっただろう。栗山CBOも2002年に近隣の栗山町内に少年野球専用球場「栗の樹ファーム」をオープン。球場づくりにいろいろアドバイスもしたという。あいさつでは「自分もグラウンドづくりをしたことがあるので、ここまで来るのは本当に大変だったんだろうなと思っています。皆さんの力がないと、できなかった。斎藤佑樹を応援してもらって本当に感謝しています」と関係者へのお礼を述べながら本人を祝福した。
イメージは大放物線の左翼席も… どこに打っとんじゃ(笑)
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注目のガチンコ始球式。右打席に入った栗山CBOは、1球目は見送り、2球目はファウル。3球目をフルスイングしたが、打球はホームベースのはるか上へ。捕手にがっちりとキャッチされ、頭をかいた。「イメージはね、もう本当に大放物線のレフトスタンドみたいな…。どこに打っとんじゃ(笑)。一緒に苦労した仲間と、また一緒にああやって向き合えるっていうのは、本当に幸せだなと思っていました」と振り返った。
斎藤佑樹さん(右)と栗山CBOのガチンコ始球式は斎藤さんに軍配
道内外50カ所超えの候補から決定
この場所にたどり着くまで巡った場所は、球場や候補地として視察した土地も併せて道内外50カ所を超えた。最終的に長沼町に決めた決定打は「やっぱり平らだったことが一番大きかった。山を見に行ったり、畑も見に行ったんですけど、元々20年前まで野球場だった場所というのもあるので。土壌ができてるいるのは大きかった」。10年ほど使われていなかった元野球場を土台に、バックネットを据え付け、手作りのスコアボードも建てた。
フェンス越えの体験してほしかった
一番のこだわりは「やっぱりフェンスがあること」。アメリカのリトルリーグでは外野フェンスが備え付けられている球場が多かったことに感銘を受けたという。「子供たちの野球場ってランニングホームランばっかりで、オーバーフェンスのホームランを打つっていう体験を、日本の子供たちにしてほしい。そんな思いでフェンスを作った」。記念試合が終わった後には、両チームの選手、保護者らと一緒になって外野フェンスにペンキを塗った。
子供たちと一緒に外野フェンスにペンキを塗る斎藤さん
最終的な夢は…
頭の中には今後の展開に関してのアイデアが次々と浮かんでいる。「まずは天然芝を植えて、木を何本か植樹していきながら…」。将来的には主催試合の開催や近隣の宿泊施設建設なども視野に入れる。「高校野球の甲子園だったり、大学野球の神宮球場だったり、そんな場所になっていけたら」。少年野球の〝聖地〟となっていくという大きな夢を目指し、どんどん進化を続けていく。
記念試合に出場した空知ファイヤーズ(左)と長沼Fタイガース
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