松本剛 魚雷バット解禁でモイネロ撃ち バント失敗を猛省も粘りの3出塁で取り返した
五回、松本剛が魚雷バットで左前打を放つ=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ3回戦 日本ハム2-1ソフトバンク(4月29日、みずほペイペイドーム)
話題のバットで鮮やかに左前打
日本ハムの松本剛外野(31)がスタメン出場し、特殊な形状をした「魚雷バット」を使用してリバン・モイネロ投手(29)から左前打を放った。
二回のバント失敗を取り返すように、残り3打席は全て出塁。しぶとい打撃で勝利に貢献した。
27日に届いたばかりの新たな〝相棒〟
27日にメーカーから届いたばかりの新兵器を解禁し、この日の打撃練習で試した。メジャー・リーグを席巻している魚雷バットは、芯の部分が太く、先端にかけて細くなっていることが特徴。松本剛の場合、グリップは以前から使っているモデルと同じ形状にした。
実際に振ってみると「先が軽くなっている分、バランスがちょっと手元に寄る。振り抜きやすさがあるかな」と好感触を得て、試合での使用を即断した。
魚雷バットを手に打席に立つ松本剛
好感触を得たチーム初安打 「感覚的にはすごく良かった」
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五回の第2打席。ノーヒットピッチングを続けていたモイネロのスライダーを左前に運び、チーム初安打を記録した。
バットがプラスに作用したのか、まだ検証段階だが「感覚的にはすごく良かった。継続して使いながら(見極めたい)と思いますね」とうなずいた。
五回、松本剛が魚雷バットで左前打を放つ
二回のチャンスで送りバント失敗
この試合、安打の前に悔やまれるシーンがあった。二回無死一、二塁で送りバントのサインも捕邪飛。進塁打を含め、自己犠牲をいとわず、つなぎにこだわってきただけに「決めないといけない場面で、流れを悪くしてしまった」と猛省した。
好機をフイにした責任を受け止めながら「(伊藤)大海がその後、しっかり粘ってくれて。頼むから勝ってくれ」と願いを込めていた。
持ち前の選球眼と粘り
今季は開幕から打撃の状態が上がらず、我慢の日々が続いている。それでも、ミスを取り返そうと必死だった。2打席目に安打でチャンスメークすると、七回は7球、九回は9球粘って四球で出塁した。
「まだ序盤で巻き返せるチャンスがある。気持ちを切らさず、しっかりやっていこう」と自らに言い聞かせ、役割を遂行した。
九回1死、松本剛(中央)が四球を選び、出塁する
復調の兆しあり 「粘り強く頑張りたい」
現在の打率は.204。まだ本領を発揮できていないが、上昇の兆しはある。「今年、ボールの見え方自体はいい打席が多い。あとは数字がついてくれば。粘り強く頑張りたいと思います」
きれいなヒットには執着していない。2022年に.347で首位打者に輝いた選手会長は、過去にすがることなく、チームのために力を尽くす。