とわの森が〝ミルクパワー〟で春季大会の快進撃誓う 歴代最多&道内最多部員88人に酪農学園大もバックアップ
とわの森は新1年生35人が入部して歴代最多88人の大所帯となった=撮影・西川薫
札幌支部大会が12日に開幕
春季全道高校野球札幌支部が12日に札幌・モエレ沼など3球場で開幕する。創部36年目のとわの森は、15日に札幌円山で行われるAブロック2回戦で江別と札幌静修の勝者と対戦する。この春に1年生35人が入部して今季の道内最多で同校歴代最多88人の大所帯となったため、系列の酪農学園大の敷地にある各種施設の利用許可が下りるなど練習環境は一気に向上した。2013年の以来12年ぶり2度目の春季全道出場を目指す。
帯広農業時代にセンバツ甲子園に出場した、就任3年目の前田監督(左)
系列大学の施設が利用可能に
高校と大学が一体となって野球部の強化を加速させる。昨年よりも10人以上が増えてグラウンド一つでは手狭となったため、毎週金曜日に大学の敷地を利用する許可が下りた。さらに合宿所の利用にもゴーサインが出て、月に一度のペースで3月から利用している。今大会の直前にも短期合宿を行う予定だ。
酪農学園大の「健民館」の4階合宿所を使って短期合宿
甲子園出場経験ある前田監督の母校
帯広農業を率いて2度の甲子園出場に導いた酪農学園大OB・前田康晴監督(49)は「大学のウエートトレーニングルーム、すごいんですよ。そこを貸してもらえることになったり、学園として協力してくれる体制も少しずつ整ってきた」。2022年秋の就任後、23年秋、24年夏と道大会に出場。新チームに移行した昨秋も全道まであと1勝だった。「正直、たまたまのところもありますけど、少しずつ意識は変化してきている」と手応えを感じており、全道常連への階段を一歩ずつ着実に進めている。
地産地消 牛乳の力で球威も増す!?
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学校の特色を生かした地産地消での体づくりに励む。指揮官は「せっかく酪農学園なんで」と、昨冬から希望者は同大で育てた乳牛から生産される「健土健民牛乳」を購入。補食の一つとして取り入れている。それまでは牛乳からバターを作ったあとに残るバターミルクだったが、供給量が限られるために昨冬からは牛乳に切り替えたという。
昨秋の背番号10、貞尾陽光投手(3年)は「去年の秋が63キロで、冬に69キロくらいまで増えた。球の力が強くなっている、と投手コーチからも言われている。体重が増えて力の伝わり方も変わってきた」と〝ミルク効果〟を実感している。
酪農学園大が生産、販売する「健土健民牛乳」で体づくりに励む
関西遠征の練習試合で勝ち越し
今年3月の関西遠征では、23年選抜甲子園にも出場した兵庫県代表の社などと17試合を行い、10勝7敗と勝ち越した。貞尾投手は「向こうのチームは足を使ってくるチームが多く、自分のモーションだと盗まれることが多かったので、(課題として)そこは良い経験になった」。チームが目指す機動力野球の参考にもなった。
視察した選抜甲子園で元僚友が活躍
さらに同26日には選抜甲子園の準々決勝を視察。なかでも主砲の堀内亮太外野手(3年)は第1試合の健大高崎-花巻東戦にくぎ付けになった。先発して5回1失点と好投した健大高崎の山田遼太投手(3年)とは、少年野球の江別・大麻バファロー所属時にチームメートだった。共に進んだ中学硬式の札幌新琴似リトルシニアでは、山田がエース、堀内が4番で活躍し、2度の全国3位に輝いている。
甲子園球場では「三塁側の一番前で、声を掛けたら聞こえるぐらいの場所で見てました。試合後に『次もガンバッテね』ってメッセージを送った。すごく良い刺激になって、自分もここ(甲子園)で試合をしてやろうという気持ちになりました」と発奮。自らは地元の高校から、聖地を目指すことを改めて心に誓った。

本番の夏へつなげるために
昨夏は南北海道大会に進出も、秋は代表決定戦で全道8強入りの北星大付に八回コールドゲームで屈して涙をのんだ。2番手で登板した貞尾投手は「リードされている中で投げて、自分が流れを変えたかったけど、逆に打たれる形になってしまった。少し相手にも対応されていたと思うので、今年は対応されても、球威や変化球の質で相手打者を圧倒できるピッチングをしたい」。堀内も「冬から関西遠征でやってきたことを全力で春ぶつけて、夏につなげていきたい」。
スローガンの「甲翔」は甲子園で羽ばたくという造語。牛たちから貰ったパワーを〝モ~〟練習で自分たちの成長につなげ、夢の実現へ突き進む。
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