3試合連続スタメンの西野奨太 アンカーとして攻守を後押し
前半、ディフェンスラインを上げるDF西野(中央)=撮影・小田岳史
■J2第10節 札幌2-1藤枝(4月20日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌のDF西野奨太(20)がボランチでフル出場し、持ち前の守備力を生かしたボール奪取など、アンカーの位置で躍動した。これでリーグ戦3試合連続先発出場と、岩政大樹監督(43)へのアピールを続けている。成長著しい若武者の存在は、順位を上げていくための重要なピースとなり得る。
2日前にボランチ指令「ちょっと驚きました」
中盤の底でチームに安定感をもたらした。2日前の練習からボランチに入ることを告げられ「ちょっと驚きました」と話したが、岩政監督から課せられたタスクは明確だった。守備を安定させることと、ボランチを組む青木が自由に動けるようすること。迷うことなく、この2点を全うすることに集中した。前半30分に田中克のゴールで同点となった瞬間にも、岩政監督は西野を呼び寄せて「よりアンカーのような役割をやってほしい」と指示した。
後半、ボールをクリアするDF西野(中央)
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前半7分にセットプレーで先制点を許したものの、その後は期待に応え、しっかりと蓋をした。バイタルエリアでのパスカットやボール奪取で、幾度も相手攻撃の芽を摘んだ。「周りの(青木)亮太くんや、最初だったら(田中)克、(荒野)拓馬くんや、(深井)一希くんだったり、後ろにいる(家泉)怜依、(高嶺)朋樹くんが、すごく指示を出してくれて、分かりやすく動いてくれるので、自分はそれに合わせるだけだった。いい関係で動けていたので、それは良かったと思います」とチームメートに感謝した。
後半37分、尊敬するあの人がピッチに帰ってきた
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さらに後半37分、深井が今季初出場。尊敬する先輩の1人がピッチに戻ってきた。「あの人はひたむきにリハビリを繰り返していたり、どうサッカーに向き合うか、そういうところを本当に背中で見せてくれる存在。(深井)一希くんがきつい時間に入ってきてくれて、場を落ち着かせてくれましたし、本当に帰ってきてくれて良かった」と喜んだ。そして、深井とも連係を取りながら、リードを保ったまま試合を締めた。「前節の水戸戦は、内容としても結果としても、本当に申し訳ない気持ちが大きかった。みんなで気持ちを入れて試合に入れた。きょうの内容を続けていけば、結果はついてくると思う」と胸を張った。
試合終了後、勝利を喜ぶMF深井(右)、DF西野(右から3人目)ら札幌イレブン
J3讃岐でリーグ戦13試合に出場した経験が生きている
昨夏はJ3讃岐に期限付き移籍し、リーグ戦に13試合出場。公式戦に出場することでしか得られない経験が今に生きている。「普段の練習でやっていることを公式戦でも出すのは、意外に難しいことだと思うので、そこがスムーズにできているのは、去年積めた経験が大きいのかな」と飛躍の礎となっているようだ。「守備のところでも今は試合に出続けられて、すごく体も動いてきました。そういうので一歩が出るようになってきたのは、すごくいいことなので、続けていきたい」。まだ20歳と伸びしろは無限大。どんどん吸収して、一気にブレークする。
試合終了後、サポーターの元へあいさつに向かうDF西野