コンサドーレ
2024/08/19 12:30

《こぼれ球》2006年、冬、天皇杯

 

 北海道コンサドーレ札幌は21日にJ2千葉との天皇杯4回戦を、千葉の本拠地・フクダ電子アリーナで戦うが、この両チームが今回と同じシチュエーションで対戦したのが、今から18年前の2006年11月8日にフクアリで行われた第86回天皇杯4回戦だ。

 当時の札幌はJ2で、昇格争いから一歩後退していた状況。一方当時J1だった千葉は、天皇杯の5日前に行われたナビスコ杯(現・ルヴァン杯)決勝で鹿島を下して2連覇したばかり。J1クラブの本拠地で行われるカップ戦王者とJ2中位チームの対戦ということで、下馬評では圧倒的に千葉が有利と言われていた。

 だが札幌は就任3年目を迎えていた柳下正明監督が掲げていた〝アクションサッカー〟で千葉に真っ向勝負を仕掛けると、後半21分にFW相川進也のヘディングシュートで先制。共にシュート15本ずつという、がっぷり四つの戦いを演じ、1-0で勝利してジャイアントキリングをやってのけた。NHKBS1で全国中継されていた中で、札幌の攻撃的サッカーの真価を見事に発揮した。

 この大会の札幌の快進撃はここで終わらず、再びフクアリで行われたJ1新潟との5回戦にPK戦の末、勝利すると、当時J1だった甲府との準々決勝を2-0で制し、クラブ史上初のベスト4進出。私もこのとき5回戦と準々決勝を現地で観戦したが、トーナメントをひとつひとつ勝ち上がっていくこと(と、天皇杯での2000万円以上の賞金が確定したこと)の喜びという、それまでの観戦では味わったことのない格別な勝利の味に酔いしれた、熱く楽しかった冬の記憶を今でも鮮明に覚えている。

 この大会以降、3度にわたってベスト16の壁にはね返されている札幌。あのとき以来18年ぶりとなるベスト8、さらにその先へと、再びフクアリの舞台から歩みを進めることに期待したい。

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