冬季スポーツ
2024/02/16 20:00

【ジャンプ男子W杯札幌大会】レジェンド葛西紀明が45位で4季ぶり予選突破 最多出場570回のギネス記録更新へ

テレビカメラに向かって笑顔でガッツポーズを見せる葛西=撮影・宮永春希

■スキージャンプ男子W杯個人第19戦
▽予選(2月16日、札幌・大倉山ジャンプ競技場)

次は1793日ぶりポイントゲットだ

 レジェンド葛西紀明(51、土屋ホーム)が2年連続で予選に挑み、55人中45位で4シーズンぶりの予選突破。自身の持つW杯最多出場記録を570回に更新することを確実にした。17日の本戦で1本目に30以内に入り2回目に進めば、2019年3月22日のスロベニア・プラニツァ大会以来1793日ぶりのW杯ポイント獲得となる。

踏み切り遅れるも技術で飛距離伸ばす

 〝KAMIKAZE〟が再び世界のトップ舞台に帰ってくる。予選通過を決めて報道陣の前に姿を現すと、開口一番「あぶねぇ、失敗した~。もう、みんな騒ぐから。試合ぐらい緊張しましたよ」と満面の笑みでおどけて見せた。

 冷や汗たら~りだった。4番手で飛んだ葛西。昼間の練習では向かい風だったが夕方には追い風に。ジャンプに不利なコンディションの中、助走に入ったが踏み切りで「バーンと遅れた」と痛恨のミス。空中に飛び出したものの、板の先端も下がって上昇気流をつかみきれず。それでも「今の調子であれば、ちょっとぐらい失敗しても、なんとかいけるんじゃないかって自信もあった」と106メートルまで飛距離を稼いで暫定2位。フィニッシュ地点で「記録をずっと見ながら『落ちろ呪い』をずっとかけて(笑)」。後続も追い風で飛距離を伸ばすことができず、ついに歓喜の瞬間が訪れた。

予選を通過した葛西の飛躍=撮影・宮永春希

 

今大会に合わせ1カ月半で7キロ減量

 万全の状態で予選に臨んだ。昨年は次点での予選出場。しかし前日に食事制限を解禁したため、コンデョション不足で51位と55位で本大会に進めなかった。今季はW杯札幌大会を最大のターゲットに定め、年明けから毎朝毎晩のランニングを欠かさず体づくりをしてきた。「もうばっちり調整はしました。朝ランニングして58.8キロで400グラムのマイナス。やっと朝飯を食べられるうれしさを味わいながら、今日はエネルギッシュにいきました」と、65キロから1カ月半で約7キロの減量。14年ソチ五輪個人LHで銀メダルを獲得した当時と並ぶくらいまで追い込んだ。

世界中に予選通過の速報流れる

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