コンサドーレ
2024/02/08 18:30

宮澤裕樹から荒野拓馬へ信頼のバトン 札幌アカデミー出身初の主将が誕生

ランニングする新キャプテンのMF荒野(手前左)と旧キャプテンのMF宮澤(手前右)=撮影・桜田史宏

【コンサドーレ沖縄キャンプ】
■2月8日、沖縄県・金武町陸上競技場

 北海道コンサドーレ札幌は7日、昨季まで主将を務めた宮澤裕樹(34)に代わり、MF荒野拓馬(30)がクラブ初のアカデミー出身主将に就任することを発表。8日の練習後、新旧主将が思いの丈を語った。

荒野「熱いプレーを前面に出して引っ張っていければ」

 クラブ史に新たな1ページが記される。2016年から8シーズンにわたってチームの顔を務めたバンディエラ、宮澤から大役のバトンを受け取った荒野。「言葉でというよりは、熱いプレーを前面に出して引っ張っていければ。自分たちの目標としている順位、タイトルをしっかり目標達成できるような1年にできれば」と新主将として所信表明した。

U-15時代以来16年ぶり主将

 今キャンプでは朝のランニングで先頭を走ったり、1月28日の町田との練習試合では宮澤がスタメンにもかかわらず、試合前の整列で主将の位置に並んだりコイントスを行うなど、実質的な主将としての仕事を果たしてきた。正式に決まったのは2月5日の練習後。「裕樹くんとミシャとしゃべって決まりました」。自身としては、準優勝した2008年高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権以来、16年ぶり2度目の主将を引き受けた。

「拓馬の周りには自然と人が寄って来る」

 大役を託した宮澤に不安は一切ない。「拓馬は人を引きつける力がある。拓馬の周りには自然と人が寄ってきますから、影響を与えていける選手だと思います。僕自身もそうですけど、キャプテンになったことで自分自身成長することもたくさんあったので、サッカーだけではなくて人としてもそうですけど、拓馬の役に立てばと思います。まあ、ほかにって考えた時に、逆に誰かいますかって話ですけど」と、公私ともに知り尽くす荒野に絶大な信頼を寄せる。
 

ランニングする新キャプテンのMF荒野(手前左)と旧キャプテンのMF宮澤(手前右)

 

宮澤「変わらずチームのためにベストを尽くす」

 宮澤は今年で35歳を迎えるが、チームへの貢献は主将を降りても変わらない。「キャプテンという役職が拓馬に渡っただけで、僕自身はチームのために、これまでも全て捧げてきました。それは変わらずチームのために自分のためにベストを尽くすだけ。特別何か自分自身がチームのことを拓馬に任せて自分と向き合うとかではなくて、今まで通りチームのためにやりたい」。経験豊富なベテランとして今季もチームを鼓舞する。

 3、4年前に主将交代の機会はあったそうだが、その時は見送られた経緯があった。「試合に絡む回数だったり試合のパフォーマンスだったり自分の年齢的なものもそうですし、チームの若い選手が多くなる中で自分の立ち位置は数年経って変わった部分」。機は熟した。

苦しいときこそ重要な主将の存在

 荒野は気迫あふれるプレーが持ち味だが、時にエキサイトするシーンがあり昨季のイエローは10枚。出場停止は計3試合だった。「累積で1試合出れないっていうのはすごい大きなことだと思うので、できるだけ累積にならない様にやっていきたい。でも、試合によってはそういった場面も必要だと思う」。チームが苦しんでいるときこそ、主将の存在が必要になってくる。背番号27がどんなキャプテンシーを発揮するか、注目のシーズンとなる。

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