冬季スポーツ
2024/01/17 12:00

モーグルW杯初出場の川岡士真 雪不足、地震の逆境もはね除け26年冬季五輪へ下克上だ!

W杯北米シリーズに初出場する川岡士真(撮影・西川薫)

3年前の世界ジュニア選手権で初陣初優勝

 3年前の北海高3年時にフリースタイルスキー世界ジュニア選手権デュアルモーグルで初陣初優勝した川岡士真(21、北翔大)が、1月19日から始まるW杯北米シリーズ6試合に初出場する。当初、2023-24シーズンは全日本スキー連盟(SAJ)の強化指定から外れていたが、今月7日に富山で行われた選考会で2位となり、2枠しかない切符の中でギリギリで滑り込んだ。北米シリーズに日本男子は今季2勝で個人総合2位の堀島行真(26)ら6人が出場する。川岡は採点配分の60パーセントを締めるターンでのスピードを武器に、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けてステップアップにすることを誓った。

代表6人中、初出場は1人「来年につなげたい」

 2年前の左上腕らせん骨折から復活し、川岡が世界最高峰の舞台にたどり着いた。6人の男子代表中、初出場は川岡のみ。「来年のW杯の成績がオリンピック出場に直接関係してくる。まず来年のW杯を初戦から回れるようにするためには、今回の6戦はすごく大事になってくる。一番大事な来年のために、今年しっかり成績を残して、来年につなげられるようにしたい」。少し遠回りはしたが、まだまだ遅くはない。ここからフルアタックで日の丸の座を射止めてみせる。

左腕骨折を乗り越え、昨年3月の全日本選手権に出場した川岡(本人提供)

 

挑戦権を得るまでの逆風

 W杯へ唯一の道が何度も閉ざされかけた。過去2シーズンは雪不足の影響などで選考会は行われていなかったといい、今回も会場となる富山県・たいらスキー場が雪不足の影響で直前まで開催が危ぶまれた。さらに1月2日に小樽からフェリーで新潟へ向かう予定だったが、前日に令和6年能登半島地震が発生。新潟港も影響を受けて欠航の可能性もあったが、なんとか入港。そこから約400キロの道中でも何度も通行止めされている箇所があり、迂回を余儀なくされた。

第2エアー直前にバランス崩したが…

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