アマスポーツ
2023/12/07 20:50

アメリカ縦横断ギネス記録の永関博紀 今度はイタリア縦断1400キロマラソンに挑戦①

12月4日、マリーナ・ディ・マッシニャーノのアドリア海沿いをひたすら走る永関さん(本人提供)

音楽フェス「SORAON」主催社の代表が寄稿

 音楽フェス「SORAON」主催社の代表取締役を務める永関博紀さん(33)が、1400キロに及ぶイタリア縦断マラソンに挑戦中だ。昨年、自転車によるアメリカ縦横断のギネス最速記録(7282キロを31日間で走破)を樹立し、FMラジオ局AIR-G'のパーソナリティーとしても活動する永関さんの寄稿コラムを、全3回に渡って掲載する。


約1カ月で走破予定 孤児院にランシューを

 株式会社挑戦舎の代表取締役を務める永関博紀です。11月19日からイタリア縦断マラソンに挑戦しています。スタート地点の最北端「プレドーイ」から、最南端の「メーリト・ディ・ポルト・サルヴォ」まで約1400キロを33日ほどで走破する挑戦です。企業や個人から支援を募り、イタリア・日本の孤児院の子どもたちにランニングシューズを届けるプロジェクトでもあります。

挑戦続ける必要性感じた

 今回の挑戦に至った経緯は、昨年、アメリカ縦横断を達成した際に「もっとたくさんの方に、感動や新たな一歩を踏み出す勇気を届けたい」と、挑戦を続けていく必要性を感じたためです。言い方を変えると、思い描いていた社会への影響という意味での成果をあまり出すことができなかった。まだまだ挑み続ける必要があると感じました。

失敗7割の人生

 アメリカの挑戦以降、様々な高校や自治体で講演をさせていただいた中で、体感ではありますが失敗7割の今までの人生に、若い世代がとても刺激を受けてくれました。3度にわたって挑んだアメリカ縦横断も価値があったのだと初めて体感しました。1回目は転倒、2回目は事故でリタイアし、それでも続けて挑んだ結果、それらが大切なプロセスとなり3回目で成功することができた。そういうことであれば新たに挑み続けて、1ページ1ページ積み上げていくことに価値があるかもしれないと、元々挑戦したいと思っていたヨーロッパでの縦断マラソンに挑むことにしました。

一歩踏み出して得られた出会い

 アメリカで世界の広さを体感することができました。人生のフィールドは日本だけではない。それを知れたことに一種の安堵感とまだまだ人生を楽しめる余地を感じました。そして、バカになって一歩を踏み出したことで得られた出会いと経験が人生を豊かにしてくれています。理由はあとで考えて、まずは面白そうなことをやってみる。周りの目を気にしてしまいがちな現代に生きる、特に若い世代に伝えたいです。

毎日40~45キロ インスタでも発信

 スタート地点はイタリア最北端の街「プレドーイ」、オーストリア国境のアルプスの山奥で標高は1500メートル。雪降る11月19日にスタートしました。朝は毎日6時30分くらいに起きて8時頃にスタートし、夕方5時くらいには終えるようにしています。ペースは時速6、7キロほどで休憩を取りながら毎日40~45キロほどを走ります。イタリアの自然、歴史的建造物の美しさを感じながら、インスタグラムでの発信も続けています。自転車では1日240~300キロ進んでいましたが、マラソンの方が辛いです(笑い)。自転車の場合は脚・腰・腕と主に3点で身体を支えて重力を分散させますが、マラソンは脚に直接ダメージが来ます。中盤に差し掛かる時点で満身創痍ですが、宿に着いてからのアイシングや入浴、筋膜リリースとケアを丁寧にしています。プロテインもしっかり摂って、前半はトレーニングの感覚で身体をつくっていってます。ただここから累計獲得標高9300メートルの「魔の山岳地帯」に入っていくので、ハラハラドキドキですね。

11月29日、ケバブ・パニーニを頬張る永関さん

 

ピザやケバブがご褒美

 今回は孤児院の子どもたちに「ともに未来へ一歩を踏み出そう」というメッセージを込めて、ランニングシューズを届けるチャリティマラソンです。節約旅で、毎日、日本から持ってきたご飯とお味噌汁を食べながら、たまにのご褒美で1枚6~8ユーロのピザやケバブを食べるのが楽しみです。クラウドファンディングもこの後公開するので、是非インスタグラムをチェックしていただけると幸いです。

instagramアカウント:http://www.instagram.com/hirokinagaseki/


執筆した12月4日時点でスタートのイタリア最北端プレドーイから累計654.8キロ。ゴールの最南端メーリト・ディ・ポルト・サルヴォまで残り731キロ。

 日   付 走行距離  終 着 地 点
11月19日  38.1 ヴィッラ・サンタ・カテリーナ
   20日  37.8 シュテルン
   21日  45.6 チェンチェニーゲ・アゴルディーノ
   22日  41.8 サンタ・ジェスティーナ
   23日  41.0 ノガレ
   24日  28.3 サンタンボロージョ
   25日  46.0 コンケ
   26日  36.7 ターチオ・ディ・ポー
   27日  38.4 ポルト・ガルバルディ
   28日  40.4 サヴィオ
   29日  45.6 リミニ
   30日  44.2 ファーノ
12月 1日  40.3 ファルコナーラ・マリッティマ
    2日  39.1 ポルト・レカーナティ
    3日  42.5 ペターゾ
    4日  49.0 コローニャ・スピアッジャ
 合   計 654.8  
 
※走行距離は1日の走った距離。単位はキロメートル

■プロフィール 永関 博紀(ながせき・ひろき) 1990年6月28日、砂川市生まれ。滝川高から小樽商科大に進学。卒業後は大手IT企業に就職し、インターネット番組制作に携わった。2年半で退職し、ロードバイクの挑戦を始める。2018年に日本縦断を達成、今年悲願の米国縦横断を成し遂げた。18年に株式会社挑戦舎を起業し、代表取締役社長に就任。19年には砂川市議会議員に当選。翌20年に歌志内市長選挙に出馬するも敗れた。175センチ、68キロ。家族は両親、兄2人、姉、妹。

11月19日、ルタゴアルプスの山々の絶景を楽しみながら走る

 

11月21日、クアファー・イン・バディーア。Googleマップ上で進んでみると、そこはスキー場の中の道路だった

 

11月22日、リヴァモンテ・アゴルディーノ。トンネルを迂回した道が崖崩れで遮断されていたが、乗り越えてひた進む

 

11月23日、ビゴリーノでついつい立ち止まって撮影した風景

 

11月28日、ラベンナにあるサンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂。イタリア各地にある聖堂はどこもすばらしく、場所によって雰囲気も違う

 

11月29日、マリミニでの1コマ。この旅で8本は食べてきたケバブ・パニーニ。ご褒美の時間

 

あわせて読みたい