無い物ねだりは、万国共通なのだろうか。エスコンフィールド北海道の記者室でパソコンに向かっていると、窓の外からこちらを覗く顔があった。アメリカへ一時帰国し、先月末に再来日した加藤豪だ。

　今年だけで加藤豪は、日米を２往復半している。長旅の疲れもあるだろうと想像するが、本人は「時差ぼけに慣れることはないけど、せっかく起きているなら勉強しようと思いますね。起きている時間は、ずっと何かしています」と努力家の一面をのぞかせ、いつもと変わらぬスマイルを浮かべた。

　ふと、気になったことがあった。生まれは日本で育ちは米国。実家では和食中心の生活だったそうだが、和洋どちらが口に合うのか尋ねてみた。答えは「マイナーでやっていたときは、おうちのご飯やラーメン、日本食が食べたかった。でも、こっち（日本）にいるときはバッファローウイングとかハンバーガーが食べたいんですよ。一生、欲しいものが手に入らない。この気持ち、分かりますか？」と、首をかしげた。

　ちょっぴりワガママな舌を満たしてくれる、心強い味方がいる。「米国では薄切り肉を食べる文化がない。逆に日本は肉の塊をそのまま食べることがない。だから、おとといはコストコに行ってロティサリーチキンを買いました。米国の会員カードが使えるので。僕はブラックカードを持っていますよ」と、ヘビーユーザーぶりをアピール。日本にいる時間が長くなるほど〝コストコ愛〟は深まりそうです。