コンサドーレ
2023/12/04 00:30

【プレーバック】J1第34節:小野伸二現役ラストマッチ 札幌0-2浦和(12月3日、札幌ドーム)

引退セレモニーを終え、胴上げされるMF小野

 

天才・小野が先発で最後の勇姿 代名詞のワンタッチパスで3万人を魅了

 北海道コンサドーレ札幌は今季最終戦としてホームで浦和と対戦し、0-2で敗れた。今季限りで現役を引退する元日本代表MF小野伸二(44)はシャドーの位置で先発し、前半22分にMFスパチョーク(25)との交代でベンチに退いた。その後も、10位でのフィニッシュを目指す札幌と3位浮上を狙う浦和は激しくぶつかり合ったが、後半に2得点した浦和に軍配が上がった。札幌は10勝10分14敗、勝ち点40の12位で今季を終了した。

 最後まで小野は魅せるプレーで札幌ドームに集まった3万1143人の観衆を沸かせた。まずは前半4分、後方から来たMF宮澤裕樹(34)からのロングボールをワンタッチで前方のMF駒井善成(31)にパス。相手DFのプレッシャーでボールを収めることはできなかったが、あいさつ代わりのエンジェルパスで一気に会場のボルテージを上げた。次は同10分。左サイドのペナルティーエリア付近でくさびのパスを受けたFW小柏剛(25)からマイナスのボールを落とされると、全ての状況を把握しているかのようなワンタッチパスで右から走り込んだ逆サイドのDF田中駿汰(26)にクロスを合わせた。ここもあとちょっとのところで絶好機につなげられず、ボールは惜しくも外へ流れた。

 交代要員としてスパチョークがピッチサイドで準備を整えた同18分には、小柏から中盤で受けたパスをワンツーで相手DF裏へ蹴り込んでチャンスを演出。ドリブルで抜こうとした小柏がタックルで倒され、絶好の位置でFKを獲得した。ここで小野はベンチに確認したが交代とはならず。そのままFKのキッカーを務めた。会場全体が固唾をのんで見守る中、ペナルティーエリアの左隅付近から小野はカーブがかかった柔らかいボールを蹴り込んだ。しかし、ここも惜しくも相手DFにクリアされてしまう。

 相手のオフサイドでプレーが止まった同20分、ついに交代が告げられた。するとピッチにいる両クラブの選手全員が中央に集り、小野のために花道をつくった。小野は一人一人にハイタッチや抱擁で応え、ピッチの外へ一歩踏み出でると振り返って一礼。会場全体から大きな拍手と大声援を浴びた。現役最後のプレーを終えた小野は両手を振って応え、ピッチサイドで待ち構えた両クラブの控え選手、監督、スタッフの出迎えを受けた。そして札幌の一人一人とも握手や抱擁を交わし、同22分にようやくベンチに腰を落ち着けてスパイクの紐を緩めた。

 小野が引き揚げた後も両クラブの一進一退の攻防は続いた。前半を0-0で折り返すと、後半8分に宮澤が自陣エリア内でのハンドを取られてPKを献上。VARも介入したが、判定は覆らなかった。同13分にそのPKを決められて先制を許すと、同27分には相手の元日本代表MF中島翔哉(29)にゴール前での振り向きざま股抜きシュートを決められて2失点目。札幌は浦和を相手陣地に押し込みながら反撃のチャンスをうかがったが、スペースを埋めて固く守る守備網を最後まで崩し切れなかった。


試合詳細はコチラ

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試合前、メンバー発表で小野が呼ばれるとひときわ歓声が響く札幌スタンド
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試合前、子供に話し掛けながら入場するMF小野
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先発した札幌イレブン
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前半、ボールを追うMF小野
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前半、パスを出すDF馬場(左)

 

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