アマスポーツ
2023/10/28 20:45

北海が3連覇へ王手 エースFW野村光希欠場も4発快勝で札幌創成下す【全国高校サッカー選手権北海道大会】

前半12分、ヘディングシュートを決め喜ぶ北海・FW岡野(左から3人目)(撮影・村本典之)

■全国高校サッカー選手権北海道大会第4日(10月28日、札幌厚別公園競技場)
▽準決勝 北海4-0札幌創成

3試合連続無失点の完勝

 攻守の歯車ががっちりと嚙みあった北海が、初の決勝進出を狙う札幌創成相手に4-0のシャットアウト勝ち。同校初の3連覇へ王手をかけた。U18プリンスリーグ北海道で得点王に輝き、初優勝に導いた大黒柱のFW野村光希(3年)を体調不良で欠きながらも、代わりに先発したFW岡野琉之介(2年)が前半12分に頭で先制点。守備も初戦の2回戦から3試合連続のクリーンシート(無失点)を達成するなど、随所に選手層の厚さを見せつけた。札幌ドームで初開催される11月12日の決勝戦では、高校世代の最高峰U18プレミアリーグ参戦中の強豪・旭川実業と対戦する。

相手シュートを2本に抑え込む

 理想的な試合運びで勝利を手にした。北海はシュート13本で4得点。逆に札幌創成はわずか2本。シュートレンジに入りこむ前に、北海の守備網がピンチの芽を早めに摘んだ。島谷制勝監督(54)は「前半に風上で出足を早くして押し込むことができて、向こうのストロングポイントをうまく消すことができた。子供たちも足をつりながら最後まで頑張ってくれたので、本当に良かったです。何よりも野村抜きで、子供たちが危機感持って一つにまとまって、一心不乱で戦ってくれたことが大きかった」と安堵の表情を浮かべた。

先制の岡野「野村さんを決勝に連れて行くことだけ考えていた」

 昨年のチームから2トップを担ってきた大黒柱が欠場。代わりに公式戦初先発したFW岡野が早い時間帯に先制点を決め、その不安を一掃した。試合前、野村から「お前が決めてこい」と背中を押されると、混戦から貴重な先制点を頭で叩き込んだ。「頭が真っ白になった。準決勝に出れない野村さんを決勝に連れて行くことだけ考えていた。自分のとこにボールが転がってきて、決めれて良かったです。野村さんは絶対に越したいライバルみたいな存在。最初はプレッシャーだったんですけど、途中から絶対俺がスタメンを取ってやるって気持ちに変わりました」と言い切った。
 

前半12分、ヘディングシュートを決める北海・FW岡野(中央)

 

島谷監督「チャレンジャー精神で頑張りたい」

 3年連続の激突だ。2021年は決勝で対戦。スコアレスドローの末にPK戦で勝利して2年ぶりの優勝を果たした。22年は準々決勝で対戦し1-1で再びPK戦の末に勝利。勝ってはいるものの、90分間では決着がついていない。相手は今季昇格したプレミアリーグで最下位ながらJクラブの下部組織から3勝している。島谷監督は「プレミアリーグで手堅いサッカーをしっかり身につけて、今日も札幌大谷さんの攻撃をゼロで抑えた。間違いなく僕たちは挑戦者になる立場なんで、チャレンジャー精神で頑張りたい」と警戒する。

柔道部、野球部…「北海の流れができてる」

 スタンドには野球部などが全校応援に駆けつけた。2点目を決めたFW田中隼人(3年)は「選手権まであと1勝。みんな燃えると思うし、最後の最後、決勝で負けるのも悔しいので、本気で2冠目を取りに行って、しっかりやります。柔道部もインターハイ道予選で全階級制覇とか、野球部も春夏秋連覇とか、北海として流れができてると思う」。サッカーでも、札幌ドーム初王者の座は譲れない。

あわせて読みたい