高校野球
2023/10/11 20:40

【国体】3年生だけでやり切った! 北海が夏の甲子園準V・仙台育英と接戦演じるも29年ぶり優勝逃す

国体は3年生でやり切った北海ナイン。準決勝は強豪・仙台育英と競り合った(撮影・小松巧)

■かごしま国体 高校野球硬式 最終日(10月11日、鹿児島・平和リース球場)
▽準決勝 仙台育英(宮城)9-7北海

先発・熊谷が5点 エース・岡田が3点を献上

 雨天順延により決勝の打ち切りが決定していた中で最終日の準決勝に臨んだ北海は、29年ぶり3度目の優勝にあと一歩届かなかった。二回に6番・長内陽大一塁手(3年)の適時打で先制すると四回までに4-0とリードしたが、その裏に先発の熊谷陽輝投手(3年)が相手打線に5連打を浴びるなど一挙5得点を献上して試合をひっくり返された。それでも北海は六回に2番・小保内貴堂中堅手(3年)の2点二塁打などで7-5と再逆転したが、その裏の途中から3番手でマウンドに上がったエース・岡田彗斗投手(3年)が八回に3失点と強力打線につかまり、敗戦した。

北海先発の熊谷投手

 

夏の主力2年生5人が欠場も強豪相手にシーソーゲーム

 長かった北海の〝夏〟が終わりを告げた。3年生は高校最後の公式戦。夏に主力として出場していた5人の2年生らを札幌で行われている秋季大会出場の影響で欠きながらも甲子園準V校とシーソーゲームを演じたが、最後は力尽きた。仙台育英打線に劣らず2桁安打を記録。1-0の三回には夏の南北海道大会1回戦以来となる本塁打を右翼芝生席へ運んだ今北孝晟二塁手は(3年)は、「日本で一番長く野球することできた。3年間積み重ねてきて今がある。やりきったな、という気持ち」。最後はすっきりとした表情で、閉会式で行進した。

甲子園で活躍した小保内が背番号「9」で2番に昇格

六回2死二、三塁から北海2番・小保内が右越えの2点二塁打で再逆転し、ベンチに向かってガッツポーズを見せる

 

 先手は取った。四回に逆転を許しても、再び勝ち越した。ずるずるいかなかったのは甲子園での経験があったからだ。六回は小保内が2死二、三塁、フルカウントから2球ファウルで粘り、逆転の2点二塁打。南北海道大会途中から甲子園1回戦の明豊戦、続く浜松開誠館戦と、途中出場や下位打線ながら勝負どころで強打を発揮してきた。国体では背番号「9」、打順も2番に昇格した。「国体では3、4個四球も取れて、2番の役割を発揮できた。夏の大会前には日本一、練習で球を打とうと、誰よりもバットを振ってきた。その成果が出た」。6年前、札幌の少年野球チーム・東16丁目フリッパーズで学童野球日本一に輝いた少年が、再び頂点にあと一つのところまで勝ち上がった。

公式戦初出場だった中川捕手 初安打など好守で躍動

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