冬季スポーツ
2021/10/31 15:54

陵侑 特大ジャンプで3連勝 北京へ視界良好

小林陵は2本目に“夏のヒルレコード”となる143.5メートルの大ジャンプを見せた(撮影・小田岳史)

■UHB杯ジャンプ(30日、札幌・大倉山ジャンプ競技場)

 男女の2トップが貫禄勝ちだ。男子は1回目で首位に立った小林陵侑(24、土屋ホーム)が、2回目に夏のヒルレコードタイ記録となる143.5メートルを飛び、2年連続4度目の優勝。女子は高梨沙羅(25、クラレ)が2位に66.9点差をつけ、3年ぶり2度目の優勝を果たした。

夏のヒルレコードタイ143.5㍍記録

 北京五輪での金メダル獲得に向け、日本男子のエースが格の違いを見せつけた。
 W杯前、最後の国内戦。小林陵は、先週の全日本選手権ノーマルヒル、ラージヒルを制した勢いのままに3連勝。「全日本より良い内容で飛べたので、良い形で冬に向かえる。アイストラックになっても楽しみ」と充実の表情を浮かべた。
 会場がどよめいた。1位で迎えた2回目。「風にも乗れたし、久しぶりに楽しくてガッツポーズが出てしまった」と、自画自賛の飛躍で143.5メートルをマーク。20点満点の飛型点も審判員3人が19.5点を付け、トップの57.5点。終わってみれば、1回目終了時点で1.4点差だった兄の潤志郎(30、雪印メグミルク)に25.5点差をつけて圧勝した。
 数字以上に価値ある記録だ。大会前まで大倉山の夏のヒルレコードは142メートル。1回目に栃本翔平(31、雪印メグミルク)も14番ゲートから143.5メートルを飛んだが、小林陵の2回目は10段低い4番ゲート(1段の間隔が50センチ=5メートル下)から。「初めて」と驚くほど、低いスタート位置から大ジャンプを披露し「ゲートに関係なく良いジャンプができたのかな」とうなずいた。
 国内3連戦を無敗で終え、次なる戦いの舞台をW杯に移す。初戦は11月20日のニジニタギル大会(ロシア)。「今年も世界のトップで戦い続けられるように、まずは1勝を目指して頑張りたい」と意気込んだ。
(島山知房)

沙羅 最長不倒136.5㍍V

〇…敵なしだ。1回目に134.メートルを飛びトップに立つと、2回目は最長不倒の136.5メートルをマーク。1人だけ130メートル台を2本揃え「自分のやりたかったジャンプをできたので、すごく気持ち良い日になった」と笑顔を見せた。11月上旬に渡欧。25日のW杯ニジニタギル大会(ロシア)に臨む。「自分のジャンプが出来上がりつつあるので楽しみ」。3度目の五輪に向け、調整は順調だ。

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