高校野球
2023/09/22 06:00

【北海40度目の夏・驚異の粘りを探る】③明豊戦で先発&中継ぎ&抑えとフル回転した熊谷陽輝投手(3年)

三回戦の神村学園戦、五回、2番手で登板した北海・熊谷

3枚看板の1人として活躍

 北海3枚看板の1人として投打に大活躍した背番号3の熊谷陽輝投手(3年)。甲子園1、2回戦では平川敦監督(52)就任後初となる超小刻み継投の起用に応え投手陣を支えた。

「取られても次の回にしっかり点数を返していた」のが勝因

 1回戦明豊戦は3投手で4度の投手交代が行われた。その中で熊谷は先発、中継ぎ、抑えと3度登板し合計7イニングを投げ2失点(自責1)。「投手陣を中心に最少失点で抑えて、粘って、取られても次の回にしっかり点数を返していた。勝った2試合がそうなんですけど、すぐ取り返せてたことが、一番、勝利の原因だったのかな」。投手陣の踏ん張りに、打線全体がコツコツと点数を重ね勝利をたぐり寄せた。
 

一回戦の明豊戦、先発、中継ぎ、抑えと3度登板した北海・熊谷

 

監督から「後はもう、おまえだけで行け」と告げられ覚悟

 2年前には上がることのなかった、まっさらな甲子園の初マウンド。熊谷は立ち上がりを三者凡退で好スタートをきった。二回は先頭から連続安打でピンチを招いたが、1死一、二塁から二ゴロ併殺で無失点で切り抜けた。三回、先頭に内野安打を許すと投前犠打で1死二塁とされ、左の長内陽大一塁手(3年)にスイッチ。熊谷は一塁の守備に就いた。

 2度目のマウンドは1点ビハインドの四回。1死から安打を許したが後続を打ち取り無失点。五回からエース岡田彗斗(3年)にマウンドを託し、再び一塁の守備に就いた。

 3度目は同点で迎えた七回。岡田投手が長短3安打などで3失点しなお1死三塁のピンチの場面。平川監督から「後はもう、おまえだけで行け」と告げられ「覚悟を決めた」。暴投で1点を失ったが最少失点に切り抜け、延長十回まで3回⅔を1失点(自責0)で抑えて見せた。

九回裏の同点時、沸き上がる選手たちの中に姿なし

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