高校野球
2023/09/14 06:00

北大会4強の白樺学園149キロ右腕・西村昴浩がプロ志望届を提出 「誰が見ても魅力ある投手に」

プロ志望届を提出した白樺学園高の西村投手(撮影・十島功)

10月26日、吉報を待つ

 今夏の高校野球北北海道大会でチームをベスト4に導いた白樺学園の西村昴浩投手(3年)が13日、プロ志望届を提出した。最後の大会は準決勝で甲子園代表クラークに延長戦の末に敗れたが、最速149キロ右腕は迷うことなく夢の道に進むことを決めた。ドラフト会議は10月26日。吉報が届くのを待つ。

「迷うことはなかった。育成でも」

 最高峰の舞台でプレーしたい気持ちがぶれることは一切なかった。西村は「元々プロにいきたい気持ちは強かったので、(プロ志望届を)出すことに対して迷うことはなかったです」と引退後すぐに決断した。「育成でも? そうですね」とキッパリ。夏休みに新十津川町の実家へ帰省し心身ともにリフレッシュすることもできた。

夏の大会からウエートトレで3キロ増

 夏休み明けから本格的な練習を再開。自らメニューを組み、2日に1度のペースでブルペン投球しながら、併行してウエートトレーニングによる体作りに力を注いでいる。「次のステップにいくにあたって、体ももっと作っていかないといけないし、ピッチング自体の完成度も高めていかないといけない」。夏の大会から体重は3キロほど増加し、球の切れが増している実感も抱いている。

 自分の時間ができたことで、しっかり現在の自分と向き合うこともできた。「なるべく脱力した状態で投げることを課題にしています。夏の時よりは確実に良くなっているんじゃないかなっていうのはあります。シャドーピッチングなどをして自分のフォームを見つめ直す時間ができた」。

174センチながら「しっかり使える下半身を意識」

 174センチと大きな体格ではないが順調な成長を遂げた。「自分の中では身長が低いなりに良さがあると思っている。下半身がしっかりしていないとピッチャーとしては厳しいので、ウエートトレーニングを中心にやってきた。投球する上でしっかり使える下半身にすることを意識してました」と胸を張る。

昨秋の東海大札幌高戦からプロ入りを意識

 プロへの道を明確に意識したのは昨秋の全道大会、東海大札幌高戦だ。西村は五回途中から登板し4回⅔無失点の好投を見せた。「自分のやってきたことをしっかり出せた。そのあたりから少しずつ注目していただけたので現実味が増してきました」。そして厳しいオフを越えて土台が強くなったことで制球も安定した。亀田直紀監督(36)も「冬はプロに行きたいって覚悟の下にやっていた。四球を出さなくなった」と目を細める。

憧れはチャップマンとロッテ澤村

 真っすぐで押し込む投球スタイルを理想とする。憧れの選手は最速169キロ左腕のアロルディス・チャップマン投手(35、レンジャーズ)とロッテの澤村拓一投手(35)だ。「誰が見ても魅力のある投手になりたい」。道は拓けるか、運命の時は近い。


■プロフィール 西村 昴浩(にしむら・たかひろ) 2005年6月2日、新十津川町出身。新十津川小1年時に新十津川ホワイトベアーズで野球を始める。新十津川中では空知滝川リトルシニアでプレー。白樺学園高では1年夏から背番号18でベンチ入り。2年秋から背番号1を背負う。3年夏は準決勝でクラークに敗れた。家族は両親と弟。174センチ、77キロ。

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