冬季スポーツ
2021/10/27 15:18

≪目指せ北京五輪≫ スピードスケート新浜試練乗り越え「真のエースに」

全日本距離別で力強い滑りを見せた新浜。短距離界のエースはあと100日に迫った北京五輪で初出場での金メダルを目指す

 2022年北京五輪開幕まで、きょう27日であと100日となった。前回18年の平昌大会ではスピードスケートやスキージャンプなどで日本勢がメダルを奪取。感動を届けた。北京大会を控える今季もいよいよシーズンが本格化。五輪初出場を目指し、熾烈(しれつ)な代表争いを繰り広げている道内関係選手を4回に分けて紹介する。

 世界の頂を知る道産子が大舞台に向かって歩みを進めている。スピードスケート日本男子短距離界のエース・新浜立也(25、高崎健康福祉大職、釧商高出)。視線の先にあるのは五輪初出場での金メダル獲得だ。
 悔しさを糧に4年間を過ごしてきた。17年12月の平昌五輪代表選考会。男子500メートルで初の五輪出場を射程圏に捉えていたが、惜しくも4位。3位の加藤条治(36、博慈会)にわずか0秒11及ばず、落選した。
 それでも、それらの実績が評価され、18―19シーズンからナショナルチーム入りした。身長183センチの恵まれた体格を生かしたパワフルな滑りに磨きがかかり、18年の全日本距離別選手権500メートルで優勝。19年W杯ソルトレークシティー大会では同種目の世界記録を一時更新する33秒83をマークした。
 翌シーズンもW杯で3勝。日本勢では19季ぶりの種目別総合王者に輝いた。4年前は無名だったスプリンター。飛ぶ鳥を落とす勢いで世界のトップに駆け上がり、北京五輪の金メダル候補に名乗りを上げた。
 今季はスケート靴のブレード(刃)など用具の調整に苦しみ、開幕戦の全日本距離別選手権は500メートルで2位に終わった。自身が絶不調に陥る中、国内最高記録保持者の村上右磨(28、高堂建設)に加え、森重航(専大3年、別海上風連中出)という新たなライバルも出現。年末の代表選考会は超ハイレベルな一戦になることが確実だ。
 新浜は「国内でも誰が勝つか分からないという状況。刺激になるのは間違いない。最悪な状況に追い込まれた。ここから力を発揮できれば、真のエースになれる」。試練を乗り越え、再び世界王者の座を手にしてみせる。

 新浜 立也(しんはま・たつや) 1996年7月11日、別海町生まれ。3歳でスケートを始める。釧商高3年時の全国高校総体で500メートルと1000メートルの2冠を達成した。高崎健康福祉大では17、18年の日本学生氷上選手権500メートルで連覇。19―20シーズンには世界選手権スプリント部門で優勝した。500メートルの自己ベストは日本記録の33秒79。183センチ、89キロ。趣味は釣り。

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