高校野球
2023/08/12 20:05

北海2年の谷川内野手 主軸・幌村遊撃手の負傷で代役浮上【夏の甲子園】

14日の浜松開誠館戦に、遊撃で先発出場する可能性が浮上した北海の谷川(撮影・小田岳史)

11日の練習中に「5番・遊撃」の幌村(2年)が右手負傷

 7年ぶりに初戦を突破した南北海道代表の北海は12日、浜松開誠館(静岡)との2回戦(14日)に向け、兵庫県内で約2時間汗を流した。11日の練習中に5番・幌村魅影遊撃手(2年)が、右手を負傷。明豊(大分)との1回戦は左翼で先発した谷川凌駕内野手(2年)が、遊撃で先発出場する可能性が浮上した。

大阪入り後から外野に挑戦していた谷川の本職は遊撃

 谷川の本職は遊撃手で、今春からは控えの二塁手だった。平川敦監督(52)から好調の打撃を買われ、甲子園入りしてから本格的に外野にも挑戦中。「ミート力が自分の武器。広角にヒットを打てるのが一番。そこを生かしていきたい」と、バットで勝利に貢献する構えだ。

1回戦では九回2死から値千金の中前打

 明豊戦では「2番・左翼」で、この夏の初スタメン。前夜に告げられると「少し寝れなかった」と、緊張の大舞台に挑んだ。勝負強さを発揮したのは、2点を追う九回2死一塁の第5打席。カウント2-2と追い込まれ、あと1球で負けが決まる可能性もあった場面だったが「つなぐことだけ考えて、3年生に決めてもらおう」と打席に集中した。すると低めのチェンジアップを中前に運び、この夏公式戦初安打をマークして後続の同点打、さらには延長十回の劇的サヨナラ勝利へとつないだ。

中学時代の日高シニアで幌村と同期

 幌村と谷川は中学硬式の日高シニアで同期。当時は幌村が主に捕手、谷川は遊撃手だった。10日の明豊戦には、北海OBで日高シニアの浦川聡前監督(57)が応援に駆けつけており、「あいさつの時に大きな声で呼んでくれた」と、スタンドに恩師の姿を見つけて喜んだ。

昨秋の全道決勝では悔しいミス

 去年の秋の悔しさは忘れられない。2連覇を狙うクラークとの秋季全道決勝。「2番・三塁」でスタメン出場した谷川が、1-1で迎えた延長十回2死二塁で打球の処理を誤り、決勝点を献上。「あそこでアウトにできなかったのは、自分の勝負弱さ、日頃の準備の足りなさ」と、冬は送球を徹底的に鍛えてきた。

12日は谷川と今北主将が遊撃で特守

 幌村の出場可否は当日の回復次第。12日の練習では最悪の事態を想定し、谷川と今北孝晟二塁手(3年)が遊撃の位置で特守を受けた。谷川は「思わぬハプニングではあるけど、監督が自分を選んでくれるんだったら、その期待に応えられるように準備していこうと思います」。代役出場の可能性に備え、準備を進めていく。

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