冬季スポーツ
2021/10/25 12:35

葛西 北京絶望も現役続行を宣言

2度目の飛躍で記録を伸ばせなかった葛西

■全日本スキー選手権兼NHK杯ジャンプ(24日、大倉山ジャンプ競技場)

 ラージヒルが行われ、8大会連続で五輪出場中の葛西紀明(49、土屋ホーム)は22位に終わった。来年2月の北京五輪出場は極めて厳しい状況となったが、5年後にイタリアで開催される冬季五輪に向けて現役続行の意思を示した。ノーマルヒルに続き、男子は小林陵侑(24、土屋ホーム)、女子は高梨沙羅(25、クラレ)が連勝した。

ジャンプ界のキングカズ目指す

 優勝の可能性がなくなった直後、葛西はすがすがしい表情で報道陣の取材に応じた。「9度目がダメだったとしても5年後のイタリア。そして札幌も(30年の)五輪を招致しているので、そこまで目指していければ」。力強く、現役続行を宣言した。
 来年1月6日時点のW杯個人総合上位5人に与えられる北京五輪の出場権。今大会で優勝すればW杯メンバーに選出される可能性があった。しかし、1回目の18位から2回目でさらに順位を落とし、22位でフィニッシュ。下部大会のコンチネンタル杯を含む10人の海外遠征メンバーに入ることができなかった。
 全日本スキー連盟はW杯メンバーを交代する際、コンチネンタル杯のメンバーから選出する方針だ。原田雅彦理事(53)は「この10人で欧州を転戦して、(五輪代表の)5人に絞る」。葛西の9大会連続となる五輪出場は絶望的となった。
 北京への道は事実上、閉ざされた。それでも「引退」の二文字が頭に浮かぶことはない。前日の公式練習で135メートル超の大ジャンプを披露したように、国内トップ選手とも互角に渡り合える自信があるからだ。
 「まったく辞める気はない。ここまで来たら、いけるところまで。(サッカーの)キングカズ(三浦知良)さんのようにずっといきたい」。来年50歳を迎えるレジェンドは、まだまだ空を飛び続ける。(島山知房)

男子小林、女子高梨が優勝

 男女のエースが連勝発進だ。高梨は1回目2位。2回目は女子選手で唯一、不利な追い風を受けながらも最長不倒の飛躍で逆転し「内容が日に日に良くなっている」とうなずいた。小林陵は1回目に夏のヒルレコードまで0.5メートルに迫る大ジャンプを披露。2回目もトップの得点をマークした。「完成度は80%くらい。冬にどんなジャンプができるか楽しみ」と話した。

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