高校野球
2023/07/13 19:20

遠軽・小野主将が選手宣誓「声援を体中に響かせて北の高校球児らしく」【北北海道大会開会式】

旭川スタルヒン球場で行われた北北海道大会開会式で遠軽の小野主将(中央)が選手宣誓を行った(撮影・星野雄飛)

■全国高校野球選手権北北海道大会
▽第1日(7月13日、旭川スタルヒン球場)

 開会式が行われ、6年ぶり29度目出場となる遠軽の小野泰雅主将(3年)が選手宣誓を行った。この日に予定されていた3試合は降雨によるグラウンドコンディション不良から14日に順延となった。順調に進めば17日に4強が出揃う。

「約0.5秒の瞬間の攻防。この一瞬で人生を変えられる」

 小野主将が思いのこもった選手宣誓を堂々と行った。「プレーボールと共に鳴り響くサイレンの音。ボールを捉えたときの金属音。いいプレーが起きた時の割れんばかりの歓声。胸が高鳴る吹奏楽の演奏。ゲームセットと共に入り交じる、さまざまな感情。私たちは高校野球を愛しています。18.44メートルの間で繰り広げられる約0.5秒の瞬間の攻防。楽しいことばかりではなかった、長く苦しい3年間の積み重ねの答えを出す瞬間。この一瞬で人生を変えられる。ここに高校野球の面白さと残酷さがあります。この一瞬で奇跡を生むために私たちは3年間、真剣に野球と向き合ってきました。応援してくださるたくさんの仲間や家族、大勢の方々からの声援を体中に響かせて、北の高校球児らしく正々堂々と戦う事を誓います」。

春の全道は北海に延長戦で惜敗 「0.5秒前までは北海に勝っていた」

 遠軽は、春季全道大会一回戦の北海戦で、延長十回の死闘を演じた。十回表に4点を奪ったが、その裏に2点を奪われ、さらに2死一、二塁から逆転3点本塁打で沈んだ。小野主将は「北海戦で自分たちはあらためて感じた。0.5秒前までは北海に勝っていて、0.5秒たった先には、ホームランで逆転されていた。そういう高校野球の残酷さ、面白さが込められている。そこが自分が高校野球で面白いところだと思っている。そこを伝えたかった。200点満点、ばっちりでした」と、自らの経験を元に言葉を紡いだ。

支部予選はエース左腕・葛西が2試合連続完投

 この日に予定されていた旭川明成との一回戦は14日に順延となった。チームの中心は、春の北海戦で188球完投を果たしたエース左腕の葛西大心投手(3年)だ。夏の支部大会でも2試合連続完投で16イニング1失点。6年ぶりの北大会出場を勝ち取った。「遠軽高校として、78人の部員全員で戦えれば。支部では葛西に助けてもらってばっかりだった。全道では少しでも葛西を助けられるように。(旭川明成)千葉投手との投げ合いで勝って、北海道ナンバーワン左腕は葛西だと言われるような試合をやる。しっかり達成できるよう頑張ります」と、9年ぶりの北大会1勝へ向けて仕切り直しの一戦に臨む。

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