高校野球
2023/07/13 18:25

初陣・足寄のOB鈴木宗男議員と松山千春 雨天順延も母校に熱烈エール【北北海道大会】

足寄野球部OBの鈴木宗男参議院議員(右)と、同校OBで歌手の松山千春(撮影・西川薫)

■全国高校野球選手権北北海道大会
▽第1日(7月13日、旭川スタルヒン球場)

開会式は実施も試合は14日に延期

 雨の影響で約2時間遅れで開会式が行われた。しかし、予定されていた1回戦3試合は関係者の懸命な整備にもかかわらず再び雨脚が強くなり、グラウンドコンデョションの回復も見込めないことから14日に順延となった。

町民200人と駆けつけた鈴木議員「私にとっては一生に一度。明日も来ます」

 開幕試合に登場予定だった初出場の足寄の応援スタンドには、同校野球部OBの鈴木宗男参議院議員(75)と歌手の松山千春さん(67)が駆けつけていた。2人は約200人の町民とともに開会式を見届けた。

 鈴木議員は母校の北大会初出場は東京で知り「支部突破は悲願中の悲願でした。6日の組み合わせ決定後、全部日程を差し替えた。北大会の日程の間は、足寄高校に専念です。とにかくもう、めったにないチャンス。私にとっては、一生に一度ではないかと思っています。だから、必勝の信念で応援します」。初陣は残念ながら仕切り直しとなったが、斉藤新主将(3年)がグラウンドからスタンドに向かって「明日も頑張ります。遠くから応援ありがとうございました」と、あいさつすると「また明日も来ます」と再び訪れる事を約束した。

100メートル11秒8の俊足だった高校時代は支部決勝で悔し涙

 高校時代は1番・右翼だった鈴木議員。100メートル11秒8の俊足だったという。「1年の秋は帯広柏葉に決勝で負けて、2年の夏は帯広三条に負けて。試合は勝ってたけども雨でノーゲームになってね、翌日の再試合で負けちゃった。あの頃は一番、支部代表に近かった。(元西武の)三井(浩二投手)が出てきてからチャンスがあったけども、これまた決勝で涙をのんだりしてですね」と激闘の歴史を懐かしそうに振り返った。

地元愛の強い松山千春 野球部出身じゃなくても「楽しみでしょうがなかった」

 松山さんは高校時代、バスケットボール部だった。野球部とは仲が良く、帯広で行われていた支部予選には毎回、全校応援に行っていたという。渡辺俊一町長とは同級生で、今年3月1日に行われた卒業式では、代表曲の「大空と大地の中で」を熱唱して卒業生を送り出すなど地元愛は強い。

 開会式で堂々と行進する足寄ナインを見届けると、「ユニホーム姿は凜々しかった。後輩たちが初めて北北海道大会に出るわけですから、やっぱり一目見てやりたいと思って応援に来ました。延期になりましたけど、きっと彼らはやってくれると信じています。楽しみでしょうがなかったですね。北北海道はクラークしかないみたいに思われてるけど、足寄もいるんだっていうところをしっかり見せてもらいたい」と語気を強めていた。14日も観戦する方向でスケジュールを調整しているという。

 足寄町の人口は6250人。野球部員は25人。地方の公立校の躍進は少子化で連合チーム化が進む北海道の高校野球界に希望の光を与える存在になり得る。鈴木議員は「部員がいなくて連合チームで出る、あるいは大会に出られなかった時期もありました。それを乗り越えての支部代表。池田監督の手腕が大きいと思いますね」。初戦に勝てばエスコンフィールド北海道で行われる準決勝の一番乗りに王手がかかる。1人のOBとして後輩たちの勝利を信じて全力で応援するつもりだ。
 

開幕試合が延期となった足寄ナイン。一塁側応援スタンドに駆けつけた町民に向かって斉藤主将は「明日頑張ります。遠くから応援ありがとうございます」と感謝した

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