高校野球
2023/06/30 21:00

札幌北 創部初の2年連続南大会に王手 実家がサラブレッド生産牧場のエース左腕・稲原が142球完投

延長十一回、エース左腕の稲原(中央)が142球の完投勝利を飾りガッツポーズを見せる(撮影・西川薫)

■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部(6月30日、札幌麻生)
▽Hブロック2回戦 札幌北6―5北海学園札幌(延長十一回タイブレーク)

2年からエースナンバー稲原が142球熱投

 札幌北が延長タイブレークの末に北海学園札幌を撃破。1950年の創部初となる2年連続の南北海道大会進出に王手をかけた。2年からエースナンバーを背負う左腕・稲原永久(3年)が142球4失点完投。打っても5-4の延長十一回2死二、三塁から右前にダメ押しの適時打を放つなど、投打の活躍で2年連続の代表決定戦進出に貢献した。7月3日の代表決定戦では札幌北陵―札幌英藍の勝者と対戦する。

 変則左腕・稲原の2試合連続完投で立て続けに私立をなぎ倒した。ゲームセットの瞬間、マウンドの歓喜の輪の中心で稲原は空に向かって両手を突き出した。「試合中はそんな疲れは感じなかったんですけど、やっぱ終わった瞬間、疲れっていうのが、緊張がとけてどどっときました」と流れる汗をぬぐった。

延長十一回タイブレークで決着

 自他共に認める〝スロースターター〟。ゆったりとした投球フォームからぴゅっとリリースする。「真っすぐが走っていて思ったところに投げれる時は調子いいけど、今日はあんまり制球が良くなかった」と六回までに6安打5四死球で4失点。攻撃中に何度もブルペンで修正し、「後半から自分のピッチングができるようになってきたんで、このまま行ければ」と最後までマウンドを死守した。延長十一回に自らのバットで6点目を奪い、相手の得点を1点に抑え勝利に導いた。公立同士の代表決定戦となるが「私立ではないけど同じ気持ちで。相手は関係ないんで、自分たちの野球ができればいい」。新たな部の歴史を作り上げる。

平取町出身、実家は「二風谷ファーム」

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