高校野球
2023/03/23 20:00

選抜甲子園が雨天順延 クラーク・麻原捕手「1日多く練習できる」 25日の沖縄尚学戦へ室内で汗

つなぎの主砲として初勝利に意気込む麻原(提供写真)

 第95回記念選抜高等学校野球大会(阪神甲子園球場)第6日(23日)は雨天順延した。2年連続2度目の出場となるクラークの初戦(2回戦)は25日に延期となり、滋賀県内の室内練習場で約3時間、打撃練習を中心に調整した。主砲の麻原草太捕手(3年)は「1日多く練習できると思って、試合に臨みたい」。つなぎの4番としてチームに貢献することを誓った。

昨年は2年生捕手で出場も4の0

 初出場の2022年は、2年生捕手として1回戦の九州国際大付戦に7番で先発フル出場したが4打数無安打。チームも延長戦の末に2-3で逆転負けした。下級生で試合に出ていたのは、麻原捕手と遊撃手で出場した新岡歩輝投手(3年)のみ。「去年の悔しさが、すごく強く残っている。絶対に今年は初戦突破して勝ち上がっていきたい。去年は、ボール球に初球から手を出して、チームとして相手のピッチャーのペースに飲まれて負けた。甘い球は、どんどん行くイメージなんですけど、ボール球には手を出さない。相手投手の投球テンポに乗せられないように、自分たちのペースで野球ができたら」と、今年は主砲としてチームの打線をけん引する。

沖縄尚学の研究重ねる

 対戦相手の沖縄尚学は、18日の1回戦を甲子園で直接視察。さらに22年秋の九州大会決勝戦なども映像で確認した。沖縄尚学のエース右腕・東恩納蒼投手(3年)の印象について「直球に力があって、大垣日大もボール球を振っていて、球威、伸びがある。カウントを簡単に直球で取ってきて、追い込んだらスライダーやボール球で振らせるイメージ。高目も強い球投げれますし、球威があって、いい投手」と警戒する。

 この日の打撃練習では、2台のマシンを相手投手の直球とスライダーに設定し打ち込んだ。「イメージはだいぶ掴めてきました。一発を狙うんじゃなくて、後ろにもいい打者がたくさんいる」と、つなぎの4番として打席に向かう。

大阪入り後、打率5割をマーク

 3月9日の大阪入り後は、練習試合全5試合で安打を放つなど5割をマーク。昨秋の明治神宮大会では、大阪桐蔭戦に5番捕手で先発出場し、3打数1安打1打点と活躍したが2-12で六回コールド負け。「直球を簡単に見逃しちゃうし、踏み込めてバッティングできていなかった。スイング自体の力はある方だとは思ったので、今年の冬はミート力を意識した」。毎日1時間、ティー台を外角に置き、ボール球の見極めに力を注いだ。

 扇の要としてエース・新岡をもり立てる。対戦決定後は、移動中のバスで常に隣の席に座り攻略法を研究してきた。中でも「1番と4番。甘く行くと打たれてしまうと思うので、慎重に攻めていきたい」。さらに、走者が出た場面でも「相手の隙を見逃さないように広く見て、キャッチャーとしてやっていこうと思う」。佐々木啓司監督(67)は「合宿のスタートでは50%ぐらいだったけど、ボールの伸び、スピード、コントロールは100点」と麻原の送球に絶大な信頼を寄せている。

「全力で走らなかったら、かっこ悪い」

 今度は自分たちの番だ。日本時間22日午前中に行われたWBC決勝戦を移動中のチームバスで観戦。「プロ野球選手でも、あれだけ最終回まで一生懸命プレーされてて、高校野球の自分たちがだらしなくプレーしてたり全力で走らなかったら、それはかっこ悪い。WBCですごくいい刺激をもらったので、全力プレーなどを心がけていきたい」。最後まで諦めず、見る人を感動させる試合で甲子園初勝利を目指す。

 

あわせて読みたい