■Ｊ１第４節　札幌２－０横浜Ｍ（１２日、札幌ドーム）

■非常にモダンで、アップテンポで、すばらしい戦いができた

―試合を振り返って

　今日のゲームはそれほど多く語る必要はないだろう。札幌が横浜Ｍに勝利したという結果が多くを語っている。横浜Ｍは質の高い選手が揃い、その選手たちがしっかりとチーム戦術を全うする非常に危険で手ごわい相手だ。Ｊリーグの中で最も洗練された危険チームで、一つレベルが抜けているチームだと言っていいだろう。

　私自身が横浜Ｍを分析した中で思ったことは、攻撃の部分では非常に強力だが、弱点があるとすれば守備の部分。その弱点を突いていきたいと考えた中で、前からしっかりと奪いに行こうと考えた。それが機能すれば我々にとってアドバンテージになり、主導権を握って戦えるだろうと。前線にアンデルソン・ロペス、西村、井上と能力が高い選手が揃う横浜Ｍに対して、局面局面で１対１の場面をつくっていくのは非常にリスキーな戦い方。相手にスペースや時間を与えれば、彼らの能力というのは非常に危険なものがある。ただ、そうしたリスクを負ってでも、我々は前からボールを奪いに行くという姿勢を見せて、それが今日は非常にうまくいったゲームだと思う。

　今日もたくさんのサポーターがスタジアムに駆けつけてくれて、チームを応援してくれた。彼らの後押しが選手たちにとって大きな力になった。そして選手たちは、そのサポーターの皆さんに、すばらしいサッカーを見せることができた。本当に今日勝利できたことを非常にうれしく思っている。

　私が１７年、日本で仕事をしてきた中で、今日のゲームは最も洗練されたゲームだと思っている。非常にモダンで、アップテンポで、すばらしい戦いができたゲーム。この１７年間、私自身が試合をしてきた中で最も優れたゲームだったと評価できるのではないか。私自身は勝利を求める中で、試合の内容というものを非常に求める。そういう意味では今日のゲームというのは、結果においても、そして内容においてもすばらしいゲームだった。だからこそ今日のゲームに勝利できたことは完璧だと思っている。

　今日のゲームはたくさんチャンスがあったが、そのチャンスをしっかりと決めていれば、６、７点取れたゲームではないかと思う。それぐらい今日のゲームはすばらしい出来のゲームだったし、見本となるようなゲームだった。

■小柏の復帰が戦い方にバリエーションをもたらした

―いつも以上にシンプルに相手ＤＦラインの裏へボールを入れるシーンが目立った

　背後を突くということに関しては、我々はもちろんどの試合でも狙っている。神戸戦でも相手の背後をもっと突いていければ、もっと相手のゴールに対して脅威を与えられていた。

　やはり小柏が復帰したというのが、チームの戦い方にバリエーションをもたらしているだろう。彼のスピードは相手にとって脅威。新潟戦では彼が入ったことによって、相手のゴールに迫ることができた。

　札幌の戦い方というのはパスサッカー、つないでいくサッカーではあるが、それに対して相手も前からボールを奪いにいこうと前から来れば、今度は相手の背後を、スピードのある選手で狙っていく。相手が来るなら裏を狙い、相手が下がるならば自分たちはパスをつないで、コンビネーションで崩していく。攻撃のバリエーションを持つ中で、スピードのある選手というのは非常に重要だ。

　まだルーカス、駒井、青木、深井などがケガで離脱している。けれども、そうしたモビリティーのある、スピードのあるタイプの選手たちが帰ってくれば、札幌はもっとアグレッシブで、モビリティーで、アップテンポな戦いができるだろう。彼らがチームに帰ってくれば、我々のチームというのは、９０分を通してアップテンポでアグレッシブな、モダンなサッカーというのを展開することができるのではないか。