ファイターズ
2023/03/10 00:45

WBC道産子初出場の侍ジャパン伊藤 初登板は九回 わずか8球でピシャリ

九回を3人で抑えガッツポーズする伊藤(撮影・村本典之)

■WBC1次ラウンドB組 中国1-8日本(3月9日、東京ドーム)

8ー1の九回から侍4番手で登板 中国上位打線から2三振を奪い3者凡退

 道産子では初のWBC出場となった日本ハム・伊藤大海投手(25)が、8ー1の九回から4番手で登板。わずか8球で1イニングを3者凡退に仕留め、開幕戦の最後マウンドを締めくくった。

 ロジンバッグの白い粉を舞わせ、貫禄たっぷりに中国打線を封じ込んだ。2三振を奪うなど2番からの上位打線を3人でピシャリ。「ああいう場面だからこそ3人でという思いは強かった。ストライク先行でテンポ良く投げられたので、その点は良かったかなと思います」と満足そうに振り返った。

さまざまな展開に備えてブルペン待機 リードが開いたことでマウンドへ

 日本ハムでは先発投手を務める伊藤だが、今大会はリリーフを担う。この日は「バックアップでついていた部分と回の頭といろんな想定があった」と、さまざまな展開に備えてブルペンで待機していた。八回に味方が4点を追加して、7点リードに。「最後は大勢(巨人)と僕で2人同時に(肩を)つくって、ちょっと(点差が)開いたので僕が行きました」と九回のマウンドを託された。

 2021年まで日本ハムの指揮を執った侍ジャパンの栗山監督と伊藤は1年間共にプレー。ルーキーながら先発ローテーションの一角を任せた指揮官は「大海とはあまり話していない」と当時を振り返る。「どう?」と声を掛けることはあっても、グラウンドで話をすることはほとんどなかった。

 栗山監督は「自分でものを考えるし、自分のペースを持っていたから、余計なことをいって崩さない方がいいなと思った。調子が悪いときの工夫の仕方を持っていた」と評価。自ら考え行動できる伊藤の長所を伸ばすため、あえて〝放任主義〟を貫いたという。

「緊張していたので、一回投げて次また入りやすくなった」

 WBC初登板を終え、伊藤は「緊張していたので、一回投げて次また入りやすくなった。きょうこの雰囲気を感じられて、すごいプラスな登板になりました」と安堵の表情を浮かべた。世界一奪還への貴重なピースとして、栗山監督のもとでフル回転する覚悟だ。