３番手で１回を完全投球　球場のスピードガンで１５１キロも計測

　ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）の日本代表に選出された日本ハムの伊藤大海投手（２５）が９日、今季初実戦に臨み、四回の１イニングを３者凡退に抑えた。ＷＢＣ球を使用し、球場のスピードガンでは１５１キロを計測。本人は「多分出てない。スピードガンがおかしいだけ」と話したが、力強い投球を披露し、幸先良いスタートを切った。

　代名詞の〝追いロジン〟はできなくても、圧巻の投球内容だった。先頭打者は、２球目の１５１キロでバットをへし折り、最後は雄たけびを上げながら見逃し三振。その後は三ゴロ、左飛に仕留め、「ある程度、出力も出てましたし、コントロールもできていた。初戦にしては良かったかな。１４球、濃い内容で終われたかなと思います」と満足そうに振り返った。

肉体改造の成果を披露　スライダーの曲がりにも「良い感じに投げられている」

　直球は１４０キロ後半を連発し、球団のスピードガンでは最速１４９キロを記録した。このオフは球速アップへ、肉体改造に着手。体重を３キロほど増やし「去年とかはこの時期にあまりスピードが出てなかったので、そういう部分で少しずつですけど成果は出ているのかな」。

　昨秋の強化試合で扱いに苦戦したＷＢＣ球への対応もバッチリだ。宝刀スライダーは大きな曲がり幅を見せ、「すごくボールとマッチして良い感じに投げられていると思う。そこをちょっと過信しすぎずにコントロールも意識してやっていけたらなと思います」と手応えを得た。

調整は順調そのもの　ＷＢＣ仕様のロジンバッグも試験

　ＷＢＣ仕様のロジンバッグも試した。ここ最近は〝封印〟していたが、「今は外なので何とかなっているけれど、第１ラウンドの（東京）ドームとなった時にどうしてもロジンの必要性が出てくると思う。あえて使ってみました」。粘着性があり「もうちょっと、モクモクしてくれた方がやる気出るんですけど」と満足感はない。「いつもみたいにベタベタ触ると、とんでもないことになる。今、適量を探してます」と模索中だ。

　ＷＢＣ日本代表組では、いち早く実戦に登板。次回は１４日の楽天との練習試合を予定していたが「多分、ＷＢＣ組で投げたのが一番手くらいだと思うので、ちょっと頑張りすぎている。投げるか投げないか、建山さんともう一回話し合おうかなというのはあります」。１７日から始まる侍ジャパン合宿（宮崎）へ、すでに準備は万端だ。